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第19話 パパとの再会

次の日、いつもと同じように4人で朝食をとっていた。


キョウコお婆ちゃんがニコニコと口を開く。

「トキコちゃんが夏休みの間ウチに泊まるからね。みんな、よろしく頼むわね」

フフフ、カイトの説得が成功したみたいだ。


すると、ママが驚いた顔をした。

「えっ、トキコとは友達になったばかりだよ。なんで、長期間もウチに泊まらせるの? 母親が病気って嘘だけど……」

まあ、怪しむのは当然だけど、カイトが裏で動いてくれているはず。


私の思惑通り、カイトがフォローに入った。

「ああ、俺がトキコの両親にお世話になった事があってさ。今は事情があって、両親と暮らせないから、ウチで預かろうと思ってさ。それにさ、コイツがいなかったら、サチ婆ちゃんの最後を看取れなかっただろ?」

「まあ、そうだけど……」

「俺もオフクロも納得しているし、リコはどう思う?」


ママは少し考えて、納得したのかコクコクと頷いた。

「2人がいいなら、私もそれでいいよ。ただし、家の掃除とか手伝ってもらうけどね。トキコもそれくらいはいいでしょ?」

「うん、大丈夫だよー」

どうやら、カイトの口の上手さで誤魔化せたようだ。よし、住居確保は成功した。


あとは恋愛成立をさせるだけだが、パパに自信を持たしてやる必要がある。恋愛に一番重要なのは自信だからね。パパは部活で夏休みも学校にいるはずだし、まずは友達になることから始めるとするか……。


私は朝食後にキョウコお婆ちゃんに伝えた。

「私は美術部の部活があるので、昼はいらないので大丈夫です」

「あら、そうなの?」

「はい、夕方には帰ると思います」


部活動なら頻繁に外出しても怪しまれないはずだし、あとはカイトがフォローしてくれるはずだ。私は部屋に戻ると制服に着替えた。ママも誘ったが断わられたので、1人で学校へ行くことにした。


いつもの通学路を歩いていくと、見慣れた校舎が見えてきたので中に入った。この学校に存在しない顔だから、先生とかに呼び止められるかとビクビクしていた。しかし、部活をしている生徒も多かったので、とくに疑われることもなかった。意外と制服を着ていれば分からないものだ。


私は校門の近くでソフト部の連中とすれ違った。へえ、ユニフォームも20年前と変化なしだ。ポニーテールの子を先頭にして、数十人の部員が後をゾロゾロと歩く。ふと先頭の子を見ると、ユキちゃんにそっくりだった。


部員の1人が先頭の子に話をかけた。

「まだ、リコは来ない? ハルミは親友だから、なんか聞いているでしょ?」

「いや、私も葬式以降は連絡してないよ」

「まだ、意地を張っているのかねえ? 私達は別にもう許しているのにさぁ」

「レイカ、こればっかりは待つしかないよ。リコも本当は試合に出たいだろうしね」


なるほど、ソフト部の仲間はママの事を許している状態か……。後はママから、歩み寄ればいいだけの話だけど、頑固な性格だから難しい問題だ。


それと、ハルミってハルミおばさんの事だな。ハルミおばさんはユキちゃんの母親だ。ユキちゃんと瓜二つだから分かったし、本当に美少女の家系で羨ましいわ。


それにしても、さっそく良い情報を手に入れたぞ。タイミングを間違えなければ、ママをソフト部に戻せそうだ。そしたら、恋愛する余裕も出て来るはず。おっと、今日一番の目的はパパとの接触だったな。


私は校舎に入ると美術部の部室に向かった。部室の中を覗くと、沢山の画材とキャンパスが置いてあった。他にも、デッサンの本や漫画本まで乱雑に置かれている。その中心にキャンパスに向かって絵を描いている男がいた。それは若き日のパパであった。


とりあえず、声をかけて接触するしかない。

「どうも、こんにちはー」

私の声にパパがこちらへ振り向いた。


童顔で小柄であり、何よりも細い印象を受けた。

「えーと、誰だっけ?」

「とっ、トキコって言います。部活の見学です」

「1年生?」

「いや、3年生です。リコの紹介です」


まず嘘でもいいから、なんらかの接点を作る事が重要だ。私がパパとママの共通の友達になって、2人が接する時間を作ればいい。しかし、この時期に部活見学とか、かなり怪しすぎる設定だったかな? 3年生だったら、引退している時期でもあるし……。


しかし、意外にもパパはこの設定を受け入れた。

「ああ、リコの友達ね。色々と適当に見ていいよ」

「あっ、ありがとうございます」

よし、ここからどうするかだ。

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