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第17話 カイト先生の恋愛相談室

すると、カイトが嘘の説明を始めた。

「リコ、誤解だぜ。どうやら、ノストラダムスの予言が怖かったらしい。トキコはそれを信じているらしく、恐怖でパニックになっただけだ」


ママはそんなバカな事を信じているのという表情をみせた。

「ああ、あんなのは嘘だろ?」

「そうだけど、リコは心配するなよ。俺がトキコにちゃんと説明するからよ。それとな、俺が未来を変えるのを手伝ってやるよ。トキコもそれならいいだろ?」 

そう言って、カイトはパチンとウインクをした。


遠まわしに、未来を変えるのに協力するって事を言っているのだ。確かに頭が良いカイトが手伝ってくれたら、もしかして何とかなるかもしれない。


私は無言で頷くと、カイトは優しい笑顔を見せた。

「とりあえず、リコは部屋から出ていってくれ。俺達はノストラダムスを倒して、未来を変える作戦をするからよ」


そうだよ、未来を変えるのが大切だ。パパとママをくっつけて、時空院トキコという存在を守らなくちゃ。もし、私が未来に偉大な人間になるとしたら、日本にとって大損失かもしれないし……。こんな所で負けるわけにはいかないのだ。


私は頬の涙を手でぬぐった。

「リコ、私はもう大丈夫だから、2人きりにしてもらってもいい?」

「ああ、トキコがそれでいいなら……」

ママは首を傾げながらも、部屋から出ていった。


カイトは窓を開けて煙草に火をつけた。

「トキコ、お前に協力してやるよ。今年で一番笑わせてもらったからよ」

「ありがとう。それで、名前はなんて呼べばいいの?」

「ああ、カイトでいいぞ。まだ20歳だから伯父さんと呼ばれたくねえしな」

それにしても、カイトのくせに物分かりが良く、協力してくれるとは意外だった。


正直、何かを企んでいるのかと疑ってしまう。

「なんで、私に協力してくれる気になったの? カイトにメリットないでしょ?」

「本音を言うと、サチ婆ちゃんの最後を看取れた借りだ。あとは、俺もオフクロに禁煙させたい。元々は俺が煙草を吸う原因を作ったわけだし、それに長男が家族を守るのも当たり前だろ?」

「あれれ、カイトって家族を大切にするタイプだったの? 全然そう見えないけど……」

「バカ、当たり前だろ。俺は愛にあふれた男だぜ」


10年後に有名女優と結婚するが、スピード離婚をすることは黙っておこう。確か結婚式の3か月後に、女子アナとの浮気をスクープされていたはずだ。ママからこんな大人になるなと、よく言い聞かされたので覚えている。


それを言った方がカイトの為になるかもしれない。

「そういえば、カイトは自分の結婚相手とか知りたい? ちょっとは気になるでしょ?」

「いや、それは言わなくていいぞ。人生も女も分からないから面白いのさ」


さすが勝ち組だけあって、自信に溢れている男だと思った。普通の人は未来を知りたくなるものだ。だって、人生は失敗だらけの人の方が多いのだから……。


私はさっそく、アドバイスを頂くことにした。

「ねえ、カイトは学生時代からモテモテだったんでしょ? 恋愛のアドバイスとかできるの?」

「まあ、よく恋愛相談はされるな。大抵はうまく成就することが出来るよ」

「じゃあ、パパとママの恋愛も成立出来る?」

「ああ、任せてくれ。どんな男もカッコよくできるぜ。髪型、ファッション、トークが重要になるぞ。まずは、そのテッペイのスペックを教えてくれ」


私はパパのスペックを伝えた。良い部分は性格が優しくて、ゲームやアニメに詳しい所だ。ダメな部分は性格が暗い、貧弱で低身長、ドンくさい、運動神経が悪い、勉強が出来ない、お人好し、デリカシーがない、女にモテない位かな? 


そして、最後にパパの写真を見せた。

「パパのスペックはこんなもんだよ。どう、なんとかなりそう?」

「無理」

「えっ、今なんて?」

「だから、無理」


カイトは大きなため息をついた。

「もう、諦めた方がいいぞ。正直、ここまでスペックが低いとは思わなかったよ。たまごっちを1000個集める方が楽そうだわ」

そう言って、カイトはベッドに寝転んだ。もう、なんなの……。


さっきは家族を守るって言っていたのに、本当にいい加減な男だな。

「もう、いいもん。私1人でやるから」

「あっ、そう……。まあ、多分無理だと思うけどね」


私は無言でカイトの部屋を出て行った。ふん、上等じゃないの。もう、1人でなんとかしてやるよ。この時空院トキコ様が、パパとママのキューピット役になってやろうじゃないか。

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