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第9話 はいはい、アタシが全部悪いですよ(ママの過去編)

アタシはみんなの本音を聞いてみた。

「なあ、みんなはレイカと同じ気持ちなのか? アタシに劣等感を感じていたのか? それは違うよな? だって、勝つ為に辛い練習をやってきたんだろ?」


だが、誰も答えてはくれず、みんなはレイカを同じような目をしていた。その目が本音なのだ。そうか、アタシがソフト部の癌だったのか……。少なくても、アタシは勝つのが目的でやっていたけど、部活を楽しむ目的で入った人もいる。確かにそこまで考えた事はなかった。


それは独りよがりの部長であるアタシの責任だ。

「そうか、みんなの気持ちは分かったよ。アタシは部活を引退するからさ、次の部長はハルミかレイカがやってよ。今まで悪かったよ、残り少ないけど、みんなで楽しくやってくれ」

そう言い残して、アタシは部室から出て行った。


みんなの目的は全国優勝ではなく、楽しい部活の思い出作りだったのだ。自分が勝手に勘違いして、1人で盛り上がっていただけの話だ。まったく、とんだピエロだったな。


すぐにハルミが追いかけてきた。

「リコ、ちょっと待ちなよ」

「なあ、ハルミは優勝が目標だったよな? その気持ちは嘘だったのか? 正直に答えてくれ」

「うん、嘘じゃないよ」


アタシは部室の前で大声をあげた。

「じゃあ、なんで最初に部室に入った時に怒らなかった? あんな遠足気分で勝てるわけがないだろ? それとも、嫌われ役はやりたくないのか?」

その大声にグランドにいる野球部や陸上部がこちらへ視線を向けた。


アタシに負けずと、ハルミも怒って大声を出した。

「リコだって、私に協力してくれかったでしょ。まず、最初に謝るように言ったよね? でもさ、最初から喧嘩腰で怒ってさ……。あれじゃあ、誰もついてくるわけないよ」

「だから、ハルミが部長やればいいよ」

「そうやって逃げるの? こういう状態をなんとかするのも部長の責任でしょ? 都合のいい時だけ部長やるなんてズルいよ。努力できないのはリコの方じゃないの?」


その言葉から、2人は取っ組み合いの喧嘩になった。そして、アタシはハルミを地面に倒して、グランドを突き抜けって走り出した。グランドの真ん中には陸上部が練習をしているが、そんな事は気にもせずに突き抜ける。


すると、陸上部の連中は蔑んだ目で見てきた。はいはい、アタシが全部悪いですよ。まあ、どうでもいい。もう、ソフト部の部室に来ることはないのだから……。ふん、みんなアタシが嫌いだっただけだ。


ハルミも親友なら、アタシの味方になってくれてもいいだろ? まったく、どいつもこいつもムカつく。

でも、一番ムカついているのは自分自身である。もう、今日は家に帰りたくない。


それから、数十分後。アタシは制服に着替えて、ショッピングモールで暇を潰していた。理由はお母さんに部活を辞めたのを知られたくないからだ。もしそうなったら、サチ婆ちゃんの耳にも届いてしまう可能性も出る。それだけは絶対に避けたかった。


サチ婆ちゃんだけは悲しませたくはなかったのだ。それなら、部活をやっているように誤魔化すしかない。いつもの帰宅時間が8時過ぎになるので、その時間までは暇を潰す必要があるので、アタシは別に欲しくもない洋服屋を梯子していた。


それでも、まだ時間は6時過ぎだった。やることがないって、結構辛いことなのだと思った。さて、残りの2時間は何処で暇を潰そうかな? うーん、公園とかいいな。あそこには駄菓子屋もあるし、ベンチでうまい棒でも食べたいな。


財布には700円くらいあるし、うまい棒の全種類を買い占めるのもいいな。いやいや、帰り道にハルミ達とかと会ったら気まずい。同情されたら喧嘩しちゃうかも……。そうだ、学校の裏山があった。


あそこの神社なら人も少ないし、時間を潰すにはもってこいの場所だ。今から神社に行ってみよう。

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