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第24話 ママにも青春時代があった

それから、真木先生はニヤリと笑った。

「だけどな、これだけは本音で話すけどな。やっぱり、教え子には幸せになってもらいたいよ。俺はリコが結婚して、その娘の教え子になれて嬉しかったよ」

「でも、娘はママと違って、こんなに手がかかる生徒だとは思わなかったでしょ?」

「ああ、そういう気持ちも正直あるな。リコは思った事はすぐに口に出すから、凄く分かりやすい生徒だったよ。逆に時空院は本音を話さないから、そこは手がかかるとは思っている。だけど、三者面談で感情を爆発させてビックリしたよ」


まあ、そこは恥ずかしかったけど、クラスメイトの前で泣かなくて良かった。そうなったら、恥ずかしくて学校に通えなくなったかもしれない。それより、真木先生が綺麗事を言わないで、嘘をつかないで話してくれた事が嬉しかった。


真木先生は頬を掻きながら苦笑いをする。

「でもなぁ、リコの方が問題児だったからな。正直、娘はそれほどでもないとも思ったよ」

「えっ? ママが問題児だった?」

「ああ、あいつは何でも出来るから、他人に求めるレベルも非常に高い。その結果なぁ、ソフト部で孤立して、かなり荒れていた時期があった。そしたら、髪は染めるし、制服も着崩すようになった。でもな、部活も成績も優秀だから、他の先生も黙認していたよ」


私はママが荒れていた話を聞くのは初めてだし、それに部活で孤立していたのも初耳である。あれれ、ソフト部の人気者じゃなかったのか? パパからはそう聞いていたけどね。


せっかくの機会だから聞いてみよう。

「真木先生、ママの中学時代ってどんな生徒でしたか?」

「まあ、いわゆる文武両道タイプで、世の中が自分を中心に回っていると思っている生徒だったよ。だから、俺はそこが心配だったよ。その予感は見事当たり、リコが中学3年になった頃に事件が起こった」

「どんな事件だったんですか?」

「ああ、あいつがソフトボール部の部長になって、全国優勝を目指すのに練習量を2倍に増やしたんだ。そうしたら、みんな嫌気がさして、誰も部活に来なくなったんだ。まあ、自分が出来れば、みんなも出来ると勘違いしていのだろうな」

なるほど、そんな出来事があったのか……。


それにしても、ママにも孤立していた時期あるとは意外だ。ずっと、リア充だと思っていた。

「それで、どうしたんですか?」

「ああ、時空院は知らないと思うけど、コギャルって不良の恰好をするようになった。そして、ゲーセンやカラオケに入り浸るようになった。それになぁ、三者面談では暴れたぞ」


暴れた? 私はその言葉に驚く。


ママがそんな事をするとは思えない。

「ええっ? 話を盛っていませんか?」

「いや、盛ってないぞ。俺がソフト部との和解提案を出したら、机をひっくり返して激怒していたよ。理由を聞いたらさ、努力出来ない人間の方が悪いって言っていたよ。いつも大人ぶっていたが、その時は感情をブチまけてビックリしたよ」

「そうですか、そんな事があったとは……。それで卒業するまで不良生徒ですか?」

「いや、夏休みが終わるまでだ」


真木先生が煙草を灰皿に入れて火を消す。

「ちょうど、夏休みが入った頃に祖母が亡くなった。リコは死に目に会えなかった事を悔やんで、ますます荒れていったよ。でもな、夏休み明けには髪と服装を元に戻して、三者面談の件を謝りにきたよ。夏休みに何かあったのだと思うけど、結局は教えてはくれなかったな。それから、部活のみんなとも仲直りしたみたいだし、最後の試合の結果も良かったはずだ」


おそらく、夏休みに何かあったのは間違いない。それはパパと恋をしたからか? それとも、何か事件があったのか? 真実はママしか知らないってことか……。

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