やきもきしている俺たちは。
生徒会メンバー、颯と葵視点です!
遅れまして申し訳ありませんですはい。
こちらは、愛莉ちゃんと一緒に廊下を歩いている二階堂颯でーす!
隣にいるだけなのに、愛莉ちゃんへの厳しい視線をビシバシ感じてまーす。
まったく、俺が気付かないとでも思ってんのかな。
俺そんなに鈍感だと思われてるわけ?
真尋ちゃんの秘密を知ってしまったせいで仕方なく生徒会に入ることになった愛莉ちゃん。
一生懸命仕事を覚えようと頑張る姿は好感が持てるし、今のところ彼女は妹みたいな存在で。
こんな子が妹だったら、確実にシスコンになってるだろうなあなんて思ったり。
だからこそ、可愛い妹分の為に俺は一肌脱ぐのも構わないんだけど…
統也は全くやる気がない。
正義感の強い葵くんはクラスが違う。
真尋ちゃんの忠犬もどきの五十嵐君はむしろ敵対しそうな勢いで愛莉ちゃんを威嚇。
四山センパイはいつも事が起きてからじゃないと動かない。
頼みの綱の真尋ちゃんも統也のお守りで精いっぱい。
これは、俺が頑張るしかないかなあ…
「二階堂先輩?」
きょとんと俺を見上げる愛莉ちゃんに、精一杯真面目な顔を返す。
俺、なんでかいつもしまりがないって言われるんだよねえ。
「愛莉ちゃん、しばらくは俺か葵くんと一緒に帰ろうね」
「え?」
「真尋ちゃんは、その指のけがの原因気付いてるよ」
指摘すると、ばっと指が後ろに隠される。
なんのことですか?なんてへらへら笑っても、騙されないよ。
「心配かけたくないって気持ちは分からなくもないけど、俺たちの知らないところで怪我したり、危ない目にあったりした方がよっぽど心配」
「う、すみません…」
「謝らなくていいよ。だから、素直に俺のお願い聞いてね?」
「はい…」
しょぼんとうなだれる彼女はまるで犬みたいだ。
ついつい頭を撫でてしまうと、感じる視線が一層強まった。
あ、やば。
火に油そそいじゃったかもしんない。
「なにやってるんですか二階堂先輩」
「葵くん!」
だから、葵くんの高めの声が、なんだか救世主みたいに聞こえた。
***
「いっやあ、真尋ちゃんは鈍感だし」
にへらっと笑うこの先輩が、僕はものすごく苦手だ。
チャラくて優しくて社交的。
僕とは正反対の性格。
そして新しく入ってきた彼女も、実はそんなに好きじゃない。
だからさっきの真尋先輩の質問には本当にどきりとした。
僕は真尋先輩を取られたとかそんな理由じゃないけど、彼女は二階堂先輩に近いところがあると思う。
社交的で、博愛主義。
僕にはそんなこと考えられもしないことだし、たぶん僕と彼女は合わないと思う。
ただ、虐めをするなんて愚かすぎる行為を見逃す気はないから今回は彼女を守ろうと思う。
楽しそうに話す二人を見ながら、軽く視線を辺りに走らせる。
鋭い視線が、幾つも彼女に突き刺さっているのが鈍いと言われる僕でもわかる。
僕よりも、彼女の方がよっぽど鈍いと思う。
でも、僕は彼女とクラスが違うし守りきれないことの方が多いかもしれない。
ものすごく不本意だが、五十嵐に頼むしかないのだろうか。
真尋先輩からの頼みだと言えば動くだろう。
「三瀬君?」
「…、なんだ佐倉」
「ずいぶん険しい顔してたから…そんなに眉間に皺寄せてると、取れなくなっちゃうよ?」
すっと伸びてきた手があまりにも自然で、思わず反応が遅れる。
一瞬遅れてどういう状況なのか理解して、かっと顔に熱が集まった。
な、ななな何を無防備に人の顔に触れているんだこの女は…!
「えっ!?どうしたの三瀬君、熱!?熱なの!?」
「~~~っ!!!」
声を出さずに爆笑してる二階堂先輩のすねをとりあえず蹴り飛ばす。
他人事だからって何を呑気な…!
…じゃなくて!
「君は!何を!してるんだ!」
「え、なにが?」
「火に油を注いでどうする!君がすべきなのは煽ることではなく事態の鎮火だろう!」
「あお…え?」
きょとんと首を傾げた佐倉を見て、呆れよりも怒りが勝った。
本当にわかっていないのかこの女は!
真尋先輩がどれだけ守ろうとしても、こんなことでは意味がない!
「あ、愛莉ちゃん…!サイッコー…!」
「え、ありがとう、ございます…?」
「笑いごとでも、お礼を言うところでもない!!!」
これだから、こいつらは嫌なんだ!
颯は確信犯です←
葵は苦労人。
そろそろファンクラブ出したいなー…




