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見つけてしまった私は。

お久しぶりです。

リアルが忙しくて、かなり開いてしまいました。

ぶっちゃけ統也の口調忘れかけましたはい。

今回は、対決編の導入編、といったところです。

愛莉ちゃんも仕事に慣れてきて、書類整理なんかは一人でもできるようになった。

まだ危うい時はあるみたいだけど、葵や颯に聞いて上手くやってるみたいだ。

こういうシーンはゲームでもあった。

というか、ミニゲームの一つなのだ。

部費、会誌、その他の三つをそれぞれ担当のキャラに振り分けていく。

成功するとその時攻略しているキャラに褒めてもらえる、というありがちなやつ。

ちなみに、竜太を選んでいた場合は違うミニゲームに。

要を選んでいた場合は真尋が褒めてくれる。

「よく頑張りましたね、お疲れ様」とうっとりするような微笑で言ってくれるのだ。

パーフェクトを取った時なんて、「こんなに君が頑張ってくれるなんて…有難うございます」と耳元で囁いてくれて…!

あ、断じて私は百合じゃない!

真尋が好きすぎるだけだから!



「真尋先輩!整理終わりました!」

「お疲れ様です愛莉さん。物覚えが良くて、本当に助かります」

「いえ!真尋先輩の教え方が分かりやすいからですよ!」



えへへ、と照れたように笑う愛莉ちゃん。

頬に置かれた手に、不自然な絆創膏を見つけたのは偶然だったのだろうか。



「愛莉さん、指、怪我したんですか?」

「え?…あっ、こ、これはですね…料理!家で料理した時にちょっと切っちゃったんです!」

「料理、ですか」

「はい!」



焦った時点で嘘だと分かってしまったが、流石に確証もなく物事を言うのは憚られる。

でも、十中八九ファンクラブの嫌がらせだろう。

ゲームでも確か、このくらいの時期だったはずだ。



「愛莉さん、風紀委員にこれを届けてもらえますか?」

「書類ですか?」

「はい、今度の朝の服装検査についてです。颯、ついて行ってください」

「一人で行けますよ!」

「この間食堂に辿り着けてなかったじゃん」

「うぐっ」



颯、それ何の話ですか。

まさか、颯のイベントを起こしてしまったということなのか。

ということは、颯のルートに入った?

いや、でもこの間葵と昼食をとっているのを見かけたし…

複数のイベントが同時に起こることもあるということか。

現実である以上、二人が愛莉ちゃんに恋をする可能性もなくはないってこと。


颯をじっと見つめていたら、パチンとウインクを返される。

どうやら、彼は私の真意に気付いたみたいだ。

愛莉ちゃんの傍には、とにかく私たちがいる。

要にも頼み込んで、せめて教室にはいてもらえるようにしよう。

何かあればすぐわかるように。

何かあってからでは、遅いなんてものじゃないのだ。



「…というわけなので、これから暫くは愛莉さんを送っていこうと思っているのですが」

「却下」



統也にダメもとで言ってみると、案の定即答で却下された。

私が離れるのを嫌がる統也だから同じ車に乗せて帰ろうと言っているのに…

私も妥協してるのに…

じとりと恨めしく統也を見つめると、統也は大きくため息をついてもう一度同じことを言った。



「なんでですか!」

「お前と二人で入れる数少ない時間になぜ他人を入れなければならない」

「数少ないって、家に帰ってからは大体二人でいるでしょう?」

「あれで足りると思っているのか?今ですら物足りないのにこれ以上減ったら、俺は何をするかわからんぞ?」

「…どういう意味です?」



最近、統也の言うことがよく分からなくなる時がある。

昔は知らないことがないくらいだったのに、ふとした表情が見たことのないものだったり、気付いてほしそうに私を見ていたり。

今も、私の返答に少しだけ眉尻を下げた。



「…あの、真尋先輩」

「葵?なんでしょうか」

「佐倉は僕と二階堂先輩で交互に送っていくので、真尋先輩は一宮先輩と帰ってください」

「しかし、教室のことも頼んでいるのに私だけ何もしないわけには、」

「真尋先輩は、副会長の仕事をこなしてるじゃないですか。僕たちの仕事よりも大変な作業をしているんですから、こういうことは僕たちに甘えておいてください」

「葵…!」



珍しくにこりと微笑んだ葵に、思わず感動する。

気分はさながら、成長した弟に感動する姉だ。

そして今思い出しだが、これイベントであったな。

統也ルートだと、真尋が押し切って一緒に帰る。

葵ルートだとさっき葵が言ったセリフの中から二階堂先輩と交互に、という部分が消えて葵が送り迎えをするように。

颯ルートだと、一緒に風紀委員のところに向かっている道中、つまり今しているだろう会話の中にこの話が出てくる。

私の意図に気付いてる颯は多分話をしているだろうし、今のところ一番好感度が高そうなのは颯と葵だ。

正に物語(ストーリー)通り。

私が押し切れなかったのは、統也が彼女に興味を示していないから、ということになる。

どうして統也は愛莉ちゃんに興味を示さないのだろう。

他の人たちは、どういう形であれ彼女に関心を持った。

でも統也は、関わることすら嫌そうにする。なぜだ。



「…真尋?」

「統也、もしかして愛莉さんのことあんまり好きじゃなかったりします?」

「…」



図星、か。

右に視線をそらして瞬きを二回、それから前に視線を戻す。

分かりやすい、統也の癖。

ある程度直球に聞かないとはぐらかされてしまうからそのまま聞いたが、まさか好いてすらないとは思わなかった。



「理由は?」

「…」

「この件に関して黙秘するようでしたら私はしばらく愛莉さんと帰らせていただきます」

「言うから!…それは認めない」

「では、どうぞ」



じっと統也を見つめると、私の手を取って軽く弄り始めた。

これは、気まずい時の癖だ。



「あー…真尋が、」

「私が?」

「アイツが来てから俺に構うことが減ったから」

「…は?」



ぽけっとした返答をしてしまう。

私が構うことが減ったから?

そんな子供じみた理由?



「今、ガキっぽいって思っただろ」

「いえ、別に」



あ、即答してしまった。

こういう時に即答の否定は、肯定みたいなものなのに。

案の定、統也の機嫌が悪くなる。

でも、まさか統也が愛莉ちゃんを好かない理由に私が関係しているとは思わなかった。

たぶん、お気に入りのおもちゃを取られたような気分になったんだろう。

葵の時とは対照的に、今度は微笑ましい気分になる。

これだから、統也は憎めないというか、怒れないというか。



「そういう理由だったとは、すみません」

「…別に、謝ってほしいわけじゃない」

「ほら、そう機嫌を損ねないで?お詫びに、何か統也の好きなものでも作りますから」

「…ん」

「ちゃんと紅茶も淹れますよ?」

「…今日は、泊まっていけ」

「はいはい、仰せのままに」



ふと私たち以外の気配を感じなくてあたりを見回したら、葵がいつの間にか消えていた。

たぶん、統也に気を使って愛莉ちゃんたちのところに行ったんだと思う。

視線がそれたのが気に入らなかったのか後ろから統也が抱き着いてくる。

そんな幼い可愛らしい独占欲が、嬉しいなんて。

私も絆されたんだろうか。

統也の腕の中でくすくす笑いがこぼれる。

怪訝そうな視線を感じるが、今は、この気分に浸らせてほしい。

可愛い幼馴染の、可愛い想いに。

もちろん、真尋は勘違いしています(笑)

真尋が思っているような可愛い独占欲な訳がないです。

真尋は、自分がそういう意味で好かれているとはこれっぽっちも思ってないので、そういう意味ではすごく鈍感です。

次は、ちょっと統也視点もいれたいんですが、ほかの生徒会メンバー視点もいれたいのでちょっと迷います。

たぶん、次話ではそこまで話は進まない、かも…

進めたいが…うーん…

どうなるかは、行き当たりばったりです(汗)

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