↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪と契約させられた人間  作者: 東海林


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
84/94

84話

数日後。


放課後。

恒一に協会から連絡が入った。


「今日、少し遅くなる」


「どれくらい?」


「二、三時間くらいだと思う」


暁は少し黙った。


「……分かった」


いつもなら一緒に帰る時間。

今日は一人になる。

それだけだった。


「先に帰ってていいぞ」


「うん」


恒一と別れる。

暁は一人で帰宅した。


家の中ら静かだった。

いつもなら玄関を開ければ恒一がいる。

リビングに行けば恒一がいる。

夕飯を食べる時も隣にいる。


夜になれば同じベッドで眠る。

それが当たり前になっていた。


「……静かだな」


ソファに座る。

テレビをつける。

面白くない。


本を読む。

集中できない。


時計を見る。

まだ一時間しか経っていない。


「……」


暁は少しだけ眉を寄せた。

寂しい。


その感情を自覚して少し驚いた。

以前なら、一人でいることなんて何とも思わなかった。

むしろ一人の方が楽だった。

でも今は違う。

恒一がいないだけでこんなにも静かに感じる。



夜。


ようやく玄関の音がした。


「ただいま」


「……!」


暁はすぐに玄関へ向かった。


「おかえり」


恒一が少し驚く。


「早かったな」


「待ってた」


「そうか」


恒一が靴を脱ぐ。

そのままリビングへ向かおうとした。


すると暁が袖を掴む。


「どうした?」


「……別に」


離さない。

恒一は少し笑った。


「寂しかった?」


暁が固まる。

図星だった。


「……少し」


小さな声。


恒一は何も言わず暁の頭を撫でた。


「悪かったな」


「謝らなくていい」


「でも」


「帰ってきたから」


暁はそれだけ言った。

それで十分だった。

夕飯を食べる。


いつものように二人で暁はいつも以上に恒一の近くに座っている。


食事が終わっても離れない。

風呂から出てもソファで隣に座る。

恒一が本を読んでいる間もずっと隣。


「今日は特に近いな」


「……寂しかったから」


珍しく素直だった。

恒一は少しだけ笑った。


「そっか」



いつものベッド。

灯りを消す。

暁はすぐに恒一へ抱きついた。


ぎゅっ。


今日はいつもより強い。


「……」


恒一は何も言わない。

暁も何も言わない。


しばらくして。


「恒一」


「ん?」


「明日は?」


「明日?」


「一緒に帰れる?」


「もちろん」


その答えを聞いて暁は安心した。


「ならいい」


そしてさらに近付く。

恒一の胸元に顔を埋める。


「おやすみ」


「おやすみ」


暁は目を閉じる。

今日はもう寂しくない。

好きな人が隣にいる。


それだけで十分だった。

もし「面白かった」「続き読みたい」と思ってもらえたら、ブックマークや評価(☆☆☆☆☆→★★★★★)してもらえるとめちゃくちゃ嬉しいです!次の更新のやる気になります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。