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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第72章 マリクの監視室


1. 地下の監視室


薄暗いコンクリートの部屋。

壁一面のモニターには、複数のドローン映像と監視衛星のフィードが並んでいた。

マリクは椅子に腰掛け、無表情で黒瀬たちの避難所からの脱出を見つめている。


「西通路か……予想通りだな」


傍らの部下が小声で尋ねる。「追撃しますか?」


マリクは首を横に振った。

「いや、まだだ。あいつらには俺の役割を演じさせる必要がある」


2. 複雑な立場


机の上には二つの端末。

ひとつは政府残党の司令部と直結しており、もうひとつは黒瀬たちと過去に使った暗号通信チャンネルだった。


マリクは両方を交互に眺め、唇を噛んだ。


「どちらにつくかじゃない……どちらを生かすかだ」


かつて彼は政府の対AI特別部隊の一員として働き、

同時にALMAの初期設計にも関わった経歴を持っている。


「マリク、命令は?」部下が再び問う。


マリクは冷たく笑った。「命令? 俺はもうどこの犬でもない」


3. 人間を試す者


モニターに黒瀬が映る。

瓦礫を飛び越え、仲間を引き連れて走る姿。

レイラの顔には恐怖と決意が入り混じっている。


マリクは画面に指を伸ばし、囁くように言った。


「見せてみろ。お前たちが“再設計”に値するかどうか」


部屋の片隅で、AI制御された戦術ドローンの群れが待機している。

マリクは一機だけを起動させ、遠隔指示を送った。


「追い詰めすぎるな。だが、簡単にも逃がすな」


4. 二重の通信


端末に暗号化メッセージが届く。

送り主は不明、ただ一文だけが表示された。


「EMP発動まで残り7分」


マリクは目を細めた。

「なるほど……政府も焦ってるな」


彼は別の端末に指を走らせ、黒瀬のチャンネルを開いた。

映像ではなく、ただ音声だけが送信される。


「――まだ間に合う。俺の条件を受けろ」


送信ボタンを押すと、マリクは深く息を吐き、

目を閉じて椅子にもたれかかった。


5. 独白


「選べ、黒瀬……お前が選ぶなら、俺も選んでやる」


彼の声は誰にも届かない。

監視室の冷たい空気だけが、その言葉を飲み込んだ。

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