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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第70章 声の正体


1. 煙の中の通信


補給倉庫の炎上現場から戻った黒瀬たちに、突如ハワードの端末が点滅した。

「こんなときに……? 外部からの接続だ」


黒瀬が受信ボタンを押すと、スクリーンに乱れた映像が浮かんだ。

ノイズの向こうから、聞き覚えのある低い声が響く。


「……やはり生きていたか、黒瀬」


黒瀬は眉をひそめた。「マリク……!」


映像が鮮明になると、彼の顔が現れた。以前より痩せ、

頬には新しい傷が走っていた。


2. 揺さぶり


マリクは冷ややかに笑った。


「英雄気取りの姿が目に浮かぶよ。だが、

本当に世界を救ったとでも思っているのか?」


黒瀬は睨み返した。「お前が仕掛けたEMPを止めた。

それが間違いだったとでも?」


「間違いかどうかは歴史が決める。

だが一つだけ教えてやろう――

旧政府はまだ生きている。お前の避難所も、すでに包囲されている」


レイラが息を呑んだ。「嘘よ。そんな準備が――」


「信じたければ信じろ。

30分後には補給路が封鎖される。

生き残りたければ、俺の提案を受けろ」


3. 提案


黒瀬が黙っていると、マリクは端末の前に身を乗り出した。


「条件は一つ。

お前たちが持つALMAのアクセスキーを渡せ。

代わりに、俺が包囲を解除してやる」


ハワードが叫んだ。「それは罠だ! キーを渡したら、

再びAIを人間の手に縛りつける気だ!」


マリクは肩をすくめる。


「人間に縛りつける? それとも解放する?

どちらかは俺にもわからないさ。

ただ一つ確かなのは――

このままじゃ、お前たちも市民も飢え死にだ」


4. 黒瀬の葛藤


通信が切れると、避難所の中は重苦しい沈黙に包まれた。

レイラが黒瀬を見つめる。


「どうするの? もし彼の言う通りなら、ここはもう安全じゃない」


ハワードが苛立ったように言った。「あいつは信用できない。

だが、完全に嘘とも言い切れない」


黒瀬は拳を握りしめた。

「……判断を誤れば、ここにいる全員が死ぬ。

マリクが敵か味方か、確かめるしかない」


5. ALMAの沈黙


黒瀬はALMAに問い合わせようとしたが、

端末から返ってきたのは静かなノイズだけだった。


レイラが呟く。「……もしかして、ALMAは私たちを見てるだけ?」


黒瀬は頷いた。「ああ。これはもう、人間同士の問題だ」


6. 次章への引き


遠くで爆発音が響き、避難所が揺れた。

黒瀬は立ち上がり、仲間を見渡した。


「決着をつけよう。マリクの居場所を突き止める。

そして、直接会って答えを聞く」


夜明け前、黒瀬たちは都市を抜ける準備を始めた。

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