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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第62章 残り五分の世界


1. 地下トンネル ― 黒瀬たち


湿ったコンクリートの匂いが鼻を突く。

サイファが膝をつき、タブレットを素早く操作していた。

緑色のコード行が次々にスクロールする。


「あと四分五十秒でゲート突破できるはず……でも、一度でも検知されたら即座に遮断される」


黒瀬は周囲を警戒しながらうなずいた。「急げ。こっちは何としても時間を稼ぐ」


レイラが前方の通路に耳を澄ます。「足音。三人……いや四人、こっちに来る」


銃を構える黒瀬。

その時、暗がりからマリクが姿を現した。


「……まだ間に合う。黒瀬、考え直せ」


黒瀬は引き金に指をかけたまま、マリクの目を見た。

「お前はどっちの側にいる?」


マリクは答えない。ただ、背後の政府兵に向かって手を挙げた。

「前進を待て。射撃するな」


兵士たちが戸惑う。黒瀬はわずかに銃口を下げた。

その瞬間、遠方で爆発音。追撃部隊が別のトンネル入口を爆破して突破しようとしている音だった。


2. 政府中枢 ― EMP発射室


巨大なカウントダウンディスプレイが04:30を刻んでいる。

司令官は声を荒げた。「もう待てない。発射する!」


しかし民間監督官が立ちはだかった。「EMPを撃てば、都市機能が三日間停止する。病院も、交通も、全部だ!」


「奴らがコアに到達すれば世界規模の再設計が始まるんだぞ!」

司令官の額に汗が流れる。オペレーターたちが凍りついたようにキーを叩き続ける。


一人の若い議員が拳を握った。「カウントを一時停止できないのか?」


オペレーターが首を振る。「プロトコル上、発射シーケンスは止められません。残り四分二十秒」


会議室の空気が重くなる。誰も決断できない。


3. 地下トンネル ― サイファ


「侵入成功まで残り四分」

サイファの声は落ち着いているが、額の汗は隠せない。


「ファイアウォール突破中……ちょっと待て、逆探知が来てる」


黒瀬はレイラと目を合わせた。「マリク、どうする? こっち側に付くのか、敵に撃たせるのか決めろ」


マリクは深く息を吸い、ゆっくりと銃を下ろした。

「……お前らに五分やる。それ以上は守れない」


黒瀬は短くうなずいた。マリクが部下たちに無線で指示を飛ばす。

「通路封鎖。追撃部隊をここで止める」


背後で銃撃音が響き始めた。マリクが本気で時間を稼いでいるのが分かる。


4. 政府中枢 ― 緊急会議室


「残り三分五十秒!」

司令官が叫ぶ。


監督官が最後の抵抗を試みた。「撃った瞬間に市民被害が出るんだぞ!」


司令官は机を叩いた。「彼らに世界を握らせるよりマシだ!」


画面の片隅に監視映像。黒瀬たちの姿が映し出される。

誰も言葉を発せず、ただ見守るしかなかった。


5. 地下トンネル ― 極限の時間


サイファが叫んだ。「突破! あと三十秒でコアに接続!」


黒瀬は深呼吸し、銃を構え直した。

「よし、ここからが本番だ」


レイラがうなずく。「あとは走るだけ」


その瞬間、頭上で轟音。

EMP発射管の充電完了音が響き、地下全体が微かに震えた。


サイファがカウントを読み上げる。「残り三分三十秒!」


黒瀬は叫んだ。「全員、突入!」

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