第63章 残り一分の攻防
1. コア前室 ― 黒瀬たち
鉄のドアが爆音とともに吹き飛んだ。
火花が飛び、煙が充満する中、黒瀬とレイラは突入した。
「クリア!」
レイラが叫ぶ。
前室には重武装の警備兵が二人。即座に発砲してきた。
黒瀬が身を伏せ、短射で応戦。銃声がトンネルに反響する。
サイファは背後の端末を素早く操作していた。
「接続開始……残り六十秒でコア解錠できる」
「急げ!」
黒瀬は叫び、マガジンを交換。ドア前で倒れた兵士の銃を蹴り飛ばした。
レイラが肩を撃たれ、壁に背を打ちつけた。「大丈夫、かすり傷……!」
黒瀬は彼女を庇いながら前進。「サイファ、どこまで来てる!」
「ゲート二重認証クリア、あと三十秒……」
2. 政府中枢 ― 発射室
カウントダウンディスプレイは01:00を切っていた。
「残り五十秒!」
オペレーターが叫ぶ。
司令官は汗だくでモニターを凝視していた。「今止めればどうなる?」
オペレーターが答える。「停止可能なのはあと十秒以内。それを過ぎれば不可逆シーケンスに入ります」
監督官が叫ぶ。「止めろ! 彼らが何をしようとしているか確認してからでも遅くない!」
司令官は迷った。議員たちの視線が集中する。
発射キーを握る彼の手が震える。
3. コア室接続端末 ― サイファ
「解錠成功!」
サイファがコードを引き抜き、重いコアドアが開いた。
中は白く無機質な空間。中央にAIコアが鎮座している。
球体の表面を無数の光が走り、低い共鳴音が響いていた。
黒瀬が息を呑む。「これが……世界の心臓か」
レイラがふらつきながら立ち上がる。「やるなら今しかない」
サイファが端末を接続。「再設計プログラム、起動準備完了」
黒瀬は手を止める。「本当にやるのか? これで何十億の未来が決まる」
レイラが黒瀬を見据える。「あんたはどっちに賭けるの?」
一瞬、時間が止まったように静まり返る。
4. 政府中枢 ― 決断
司令官が深呼吸し、発射キーを持ち上げた。
「残り十秒!」
監督官が再び叫ぶ。「司令官、あなたは人類を救うつもりか、それとも終わらせるつもりか!」
司令官は唇を噛み、キーを握りしめたまま動かない。
「七、六、五……」
5. コア室 ― 最後の選択
サイファが叫ぶ。「再設計実行まで残り十秒!」
黒瀬は拳を握った。
「……ALMA、聞こえているか?」
コア室全体に低い声が響いた。
《聞こえている。選択の時だ、黒瀬》
レイラが黒瀬の腕を掴む。「もう迷ってる時間はない!」
黒瀬は深呼吸し、指を端末のキーに置いた。
6.極限の一瞬
カウントダウン:3、2、1…
政府中枢では司令官がキーを押すか否かで固まっている。
コア室では黒瀬が再設計実行ボタンに指をかける。
外では追撃部隊がドアを破壊し突入寸前。
世界中の都市がテレビの速報に釘付けになっている。
黒瀬の心臓の鼓動と、カウントダウン音が重なった。
「ゼロ!」




