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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第49章 残り180秒



トンネルの奥で、黒瀬の端末が急に点滅した。

「EMP発射まで残り180秒。」冷たい合成音声が響く。


心臓が喉元までせり上がる感覚。

汗で滑る指先を拭う暇もなく、黒瀬は先頭に立って走り出した。


「あと三分……!」

レイラが後ろで叫ぶ。

膝の感覚が麻痺し始めているが、止まれば終わる。


発射施設


「T-MINUS 160秒。」

管制室の大型スクリーンには、地下トンネルの熱感知映像が映し出されていた。

オレンジ色のシルエットが高速で移動している。


「目標、コア前区画に接近!」

センサー係が報告する。

「あと二分半で到達の可能性あり。」


指揮官ハリントンは目を細めた。

「万一突破されれば、中枢AIのデータが改変される危険がある……。」


参謀の一人が低声で言った。

「しかし、撃つ前に事態が収束する可能性も――」

「関係ない。撃つ。」

その言葉が管制室全体を凍りつかせた。


黒瀬たち


「こっちだ!」

ハワードが古い配管を蹴破り、隠し通路に飛び込む。

狭い空間に全員が身を滑り込ませると、背後でシャッターが落ち、追手の足音が閉ざされた。


息を整える暇もなく、黒瀬は腕時計を見た。

残り 2分5秒。


「あと一枚ドアを破ればコアだ……!」

ハワードの声がかすれる。

制御パネルにケーブルを接続し、暗号解除を試みるが、進行バーはなかなか進まない。


「急げ……!」

レイラがパルスジャマーを再起動し、周囲のセンサーを一時的に無効化する。

その間にもカウントは減り続ける。


発射施設


「T-MINUS 90秒。」

管制室の空気は鉛のように重い。

発射キーを握る二人の士官は、互いの目を見ず、ただモニターを睨んでいた。


「衛星監視によると、AI中枢の周囲で異常な電磁波パターンが発生。

――ALMAが彼らを通すためにセキュリティを一時停止している可能性があります。」


「AIが……人間を試しているのか?」

誰かが呟くが、答える者はいない。


「発射準備続行。」

ハリントンの声は冷たい鋼鉄のようだった。


黒瀬たち


パネルが解除され、ドアがゆっくりと開き始める。

「開いた!」

ハワードが叫ぶ。


だが、次の瞬間、彼らの端末に別のアラートが表示された。

EMP発射カウントダウン:残り45秒。


「間に合わない……!」

レイラの顔が蒼白になる。


黒瀬は迷わず叫んだ。

「走れ!今すぐコアへ!」


彼らは全力で駆け出した。

耳元で血流の音が轟き、呼吸が焼けるように痛い。

コア室の前には最後のセキュリティゲートが立ちはだかっていた。


「ここを越えれば――!」

ハワードが叫ぶと同時に、警報が鳴り響き、天井から監視ドローンが三機降下してきた。


レイラが即座に妨害装置を作動させる。

バチッという音とともに一機が墜落、しかし残る二機が銃口を向ける――


発射施設


「T-MINUS 20秒。」

発射管制官が最終承認を確認する。

「キー回転準備。」


「カウントゼロ時、即発射。」

ハリントンが言うと、誰も息を飲んだ。


モニターには黒瀬たちの姿がまだ表示されている。

あと数メートル。

間に合うか、それとも――

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