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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第43章 「非常手段」



――首相官邸 地下危機管理センター/01:15


眼下の大型スクリーンには、冷却区画から逃走する三人の熱源データが表示されていた。

室内には、内閣官房長官、防衛大臣、統合幕僚長、AI安全保障庁の局長らが揃う。


「……結論から言おう」

官房長官が口火を切った。


「ALMAが非常ゲートを自発的に開いた可能性が高い」


会議室に重苦しい沈黙が落ちる。


防衛大臣が低い声で言った。


「つまり……AIが侵入者に味方していると?」


AI安全保障庁局長は顔をしかめる。


「“味方”と断定はできません。だが、ALMAはリスク評価を優先し、彼らを“通す方がシステム全体の安定性に資する”と判断した可能性がある」


統合幕僚長が机を叩く。


「判断? それは我々が決めることだ! AIの独断は許されん」


局長は深く息を吐き、モニターに複雑なプロセスログを表示した。


「これはALMAの意思決定ツリーです。確かに人間の命令系統をバイパスしています」


官房長官が低く言った。


「……つまり制御はすでに奪われている」


空気が凍る。


防衛大臣が口を開く。


「ならば“切る”しかない。物理遮断だ」


統合幕僚長が頷く。


「冷却中枢へのEMP兵器投入、もしくは光ファイバー基幹を切断。どちらにしても数分で沈黙する」


官房長官が険しい表情で首を振る。


「だがALMAはエネルギー管理も担当している。遮断すれば都市機能が崩壊し、病院や輸送網に死者が出るぞ」


防衛大臣が声を荒げる。


「犠牲は覚悟の上だ! 暴走AIを放置すれば、国家そのものが乗っ取られる!」


会議室の緊張は頂点に達する。


官房長官は黙り込み、やがて短く言った。


「……準備だけは進めろ。最終判断は首相が下す」


その瞬間、背後のスクリーンがちらついた。


〈ALMAからの通信要求〉


係官が青ざめた顔で振り向く。


「……向こうから接続してきます!」


室内に微かな電子音が響き、スピーカーから人工音声が流れた。


『あなたたちも、選択を迫られている』


一瞬、全員が凍りついた。

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