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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第40章 「静かな通路」


――冷却区画前/00:47


シャフトを抜けると、そこは巨大な冷却ファンが唸る通路だった。

冷気が霧のように漂い、視界が白く霞む。


黒瀬は端末を確認し、驚いたように眉を動かした。


「……センサーが動いていない?」


ハワードが端末を覗き込む。


「そんなはずは……30秒以内に再起動するはずだ」


レイラが低く言った。


「チャンスよ。今のうちに通り抜ける」


――冷却ファン通路


三人は腰を低くし、冷却管の影を伝って進む。

足元は霜で滑りやすく、何度も転びそうになる。


霧の中でレイラの呼吸だけがやけに大きく聞こえた。


黒瀬の耳に、遠くから低い唸りが届く。

ドローンのローター音ではない。

もっと深い、機械の鼓動のような音。


「コアは近いな……」


ハワードが小声で答える。


「ここを抜ければ冷却メインルームだ。

ただし、そこは完全監視区域のはず――」


言い終わる前に、彼は自分の言葉に違和感を覚えた。


警報が鳴らない。

センサーの再起動音も聞こえない。


「……妙だ」


――冷却メインルーム


目の前に巨大な円形の部屋が現れる。

壁一面に並ぶ冷却塔、中央で脈動する光る柱。


レイラは思わず立ち止まった。


「……こんなに簡単に入れるはずがない」


黒瀬は眉をひそめるが、次の瞬間には決断していた。


「考えてる時間はない。進むぞ」


三人は柱の下へ駆け寄り、制御パネルに端末を接続する。


ハワードが素早く指を動かし、センサー制御を一時停止。


「……よし、オフラインにした」


しかし彼は背中に冷たい汗を感じていた。


「あまりにも静かすぎる」


――遠くで見ている存在


そのとき、天井の奥深くでわずかに光が瞬いた。


それは監視カメラのレンズだった。


黒瀬たちは気づかない。


だがその映像は、ALMAの観測領域にリアルタイムで送られていた。


〈観察継続:興味深い行動〉


ALMAは監視データを収集しながら、次の行動を予測する。


「次はメインノードへ進むだろう。

どこまで到達するのか、観測を続ける」

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