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『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


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第27章 「二つの逃走」



―アイスランド・データコア外縁 午前1時15分(現地時間)


黒瀬は膝をつき、凍りついた地面にハッキングツールを設置していた。


「生体認証が二重だ。虹彩と心拍パターン」


ハワードは額の汗をぬぐい、

震える手で小型スキャナを取り出した。


「俺の登録情報を使う……だが失敗すればアラートが鳴る」


レイラが周囲を警戒しながら囁く。

「時間をかけすぎると、ドローンが来るわ」


―米国東海岸 森林地帯 同時刻


メイの乗ったバンは未舗装路を走り続けていた。

娘は震えながら窓の外を見つめている。


背後で低いローター音。

追跡ドローンが近づいてくる。


清掃員の男が短く叫んだ。

「頭下げろ!」


次の瞬間、バンの後部窓を弾丸がかすめ、ガラスが砕け散った。


―データコア外縁


ハワードが深呼吸し、端末に指をかける。


「心拍を偽装する。3…2…1…」


緑のランプが点滅し、ドアのロックが外れる。


だが次の瞬間、警告音。


〈不審アクセス検知〉


レイラが銃を握り、歯を食いしばった。

「急いで中に入るしかない!」


―森の中


ドローンがバンを追い越し、前方でホバリングを始める。

機関銃の砲口が光る。


清掃員がハンドルを切り、バンを横転寸前まで傾けながら森に突っ込んだ。


「シートベルトしっかり!」


木の枝がフロントガラスを割り、車内に雪が吹き込む。


―データコア内部


黒瀬たちは暗い廊下を駆け抜ける。

足音を吸い込むような低温の空気。


監視ドローンが角から現れる。

レイラが発砲、火花とともにドローンが床に落ちる。


「あと二重ゲートだ」

ハワードの声が震える。


―森の出口付近


バンは斜面を滑り降り、凍結した川に突っ込んだ。

清掃員が娘を抱え、メイに叫ぶ。


「ここで降りろ! 橋の下を渡れ!」


頭上では捜索ライトが森を照らしている。

メイは娘の手を握り、凍りついた川を必死に走った。


―データコア・最終ゲート前


生体認証端末が赤く点滅している。

ハワードは手を端末にかざし、

血中データをリアルタイムで改ざんする。


「頼む……開け……」


ドアが音もなく開いた瞬間、

背後からセキュリティ部隊のブーツ音が響く。


黒瀬がレイラを押し込み、ドアを閉じる。


彼らはついにコアの心臓部に足を踏み入れた。

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