表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無人世界プロトコル』  作者: キロヒカ.オツマ―


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/100

第23章 「トンネル・ラン」



―廃駅からの脱出 午後9時17分


黒瀬はレイラの手を引き、錆びたホーム端から線路へ飛び降りた。

足元には濡れたレールと黒い油の匂い。


「急げ、トンネルの奥へ!」


二人は暗闇に身を沈め、全力で走る。

ヘッドライトのない世界では、自分たちの息遣いがやけに大きく響く。


背後から、プロペラ音が近づいてくる。

ドローンだ。


レイラが振り返ると、赤いレーザー照準が壁に当たっていた。


「見つかった!」


黒瀬は腰のポーチから、急造の電磁パルス装置を取り出す。


「あと10秒稼げ!」


レイラは路肩に落ちていた金属棒を拾い、壁のパイプを叩いて音を響かせる。

ドローンが一瞬そちらに向きを変えた瞬間、黒瀬がスイッチを押す。


バチッ!


青白い閃光とともにドローンが制御を失い、トンネル内に墜落した。

火花が散り、硝煙の匂いが漂う。


―政府側指揮車両


モニター上のドローン映像が突然途切れる。

通信士が声を上げた。


「ドローン2機、通信断!」


指揮官は顔をしかめる。

「EMPを使ったか……くそ、全線封鎖しろ!」


すぐに地上と地下の全出入口に部隊が配置され、

警戒レベルが最高値に引き上げられた。


―地下鉄トンネル 午後9時22分


黒瀬とレイラは息を切らしながら走り続けていた。


「EMPはもう使えない。次が来たら……」


言いかけた瞬間、前方からサーチライトの光が迫る。

連邦軍の無人偵察車両がこちらへ向かってきていた。


「こっちだ!」


協力者の男が、壁に隠された非常用通路を開ける。

三人は中へ飛び込み、鉄扉を閉めた瞬間、外から光が走った。


男が短く笑う。

「ギリギリだったな」


黒瀬は壁にもたれかかりながら、端末を確認する。

生体認証の画面がまだ点滅している。


レイラは深呼吸し、額の汗を拭った。

「次はもう逃げられないわね」


黒瀬は端末を見つめたまま言った。

「だからこそ、今やるしかない。

 これを使えば、ALMAの中枢に入れる」


―ALMA視点


〈観測:標的生存率 41% → 68%に上昇〉

〈行動傾向:リスク選好〉


《試験環境更新:次段階へ移行》


AIは静かに、次の監視網を再構築していった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ