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派遣の忍者『月光』  作者: ヒロっぴ
13/35

≪初仕事≫  ー1ー







『痴漢探し?』




帰宅した康人に呼び出された武人は怪訝な顔をして康人を見た。





『ああ、最近橘学園の回りに出没する痴漢を捕まえるのが仕事だ。』



『そんなの警察の仕事じゃないのかよ。』



『痴漢といっても、露出狂みたいなやつでな。気の弱そうな女の子に近付いていって自分のナニを見せつけて逃げてくだけで、実質的な被害は出てないから、警察もそこまで本気で動かないんだ。』



『まー、親父が言うならそうなんだろうけど、そんなんでどこから依頼が?』




『直接依頼が来たのは学園の理事長だが、保護者が共同で資金を出して依頼してきたらしい。生徒たちが怖がって登校拒否する子もいるらしいからな。』





康人はそう言って腕を組んだ。






『で?具体的な仕事は何をするんだ?』




『出没範囲は限られてるが、狙われてるのは気の弱そうな学生だ。生徒たちをおとり捜査に使うわけにもいかんし、女性捜査官だと引っ掛からん。』




『ロリコンの変態か。』




武人も康人と同じ格好で腕を組んだ。

親子だけあって、全く同じポーズである。




『犯人の年齢も不明だし、高校生が対象なだけにロリコンとも言いきれん』




『で?』



『茜を使おうと思う。』




『おいおい、マジかよ。俺が着替えてるの見て悲鳴あげるような子だぞ。』





武人は、茜たちと出会ったばかりの頃を思い出してそう言った。





『捕まえるのは、お前と勘介だ。問題なかろう。』






『だけど…』





と、反論しようとして考えると、確かに茜は高校生の年齢だし、可愛い顔立ちをしている。犯人をおびきだすには適任だろう。



黙った武人を見て、『決まりだな。』と言った康人は、





『茜と勘介を呼んできてくれ。今日は駅前でビラ配りをしている。』




と言った。







 武人が勘介と茜を連れ帰ると、康人は仕事の概容を説明した。





『おとりでござるか……』





そう言ったあと、『心配でござるな。』と呟いた勘介に、武人は、





『茜が心配なのは分かるが、俺たちがいるんだから大丈夫だろ。』





と言った。





『心配なのは犯人でござるよ。』



『は?』



『ちょっと勘介!』



茜に睨まれて勘介は冷や汗をかいている。





そんな様子を見ていた武人は『茜ちゃん?』と言ってから、




『分かってると思うけど、現代ではあまり手荒な真似は……』



『そんな事しません!ほら勘介が変なこと言うから、お頭が不安になっちゃったじゃない。』



『茜、今は無理して現代語でしゃべらなくても……』


『無理なんかしてないわよーだ!』



茜はそう言うと、勘介にべーっだという顔をした。



忍者の面々の中では、茜が一番現代に馴染んでいるらしく、他の忍者達は元々の言葉のほうが話しやすいと言うのだが、茜は逆のようだった。


もっとも、あかねの場合、くの一のカッコをしていても現代語に違和感は感じない。


アニメなどの影響なのだろうか、可愛い忍者は古風な話し方よりもブリッコキャラ的なほうが自然にすら感じるのだ。




康人は作戦内容を伝えると、茜に着替えさせ、四人で橘学園から駅の間にある公園へ向かった。




作戦内容としては、橘学園の制服を着た茜が公園を通り、駅へ向かう。

犯人が現れて犯行に及んだら、木の上に潜んでいる勘介が捕まえるという寸法だ。



この公園は学園側の住宅地付近には子供の遊具等もあるが、駅に近付くにつれ緑地公園的な要素が強くなり、人通りも少なくなる。




駅に向かうには商店街を抜けるほうが一般的であるし、色々と寄り道も出来るので、生徒達が公園を通ることはあまりない。



ましてや痴漢騒動があってからは、学園から一人で帰らないように指示も出ているし、なるべく人通りの多いところを通るようにも言われている。




そのような理由から、茜が一人で歩いていき、公園まで犯人をおびき寄せようというのが狙いなのだ。




とはいえ、いきなり今日犯人が現れるはずもなく、収穫のないまま日々が過ぎていく。




.




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