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暇人侍  作者: 一斗
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其の七十一 天下人崩御

「一大事じゃぞ!猿が亡くなったらしい」

「天下人にも寿命があるのは当たり前じゃろう。何故一大事になるのじゃ?」

「跡継ぎがまだ十にもならぬ幼子だからじゃ。それ故家臣団の統制が効かず、対立が確実な状況になっておる」

「それはまずいのお。また戦になるのか?」

「その可能性は極めて高いという話じゃ。特に大殿様は有力家臣団の一人と対立しており、このまま行けば争い事になるのは確実」

「その有力家臣団の一人とは何者じゃ?」

「西の大名じゃ。今は国替えして我が国の南方に拠点を構えておる」

「西の大名・・あの謀反人の事か」

「うむ」

「南方という事は我らのいる場所とは正反対の位置じゃな。戦になった時は招集されるのかのお」

「微妙じゃな。わしらのいる北西にも違う大名家が隣接しておる訳じゃし。お主の娘と婿もわしらの近くに住んで居る故、同じく戦になった時には国境警備の任に就く可能性が高い」

「そうじゃろうな。まあ、以前腰をやったせいで槍の扱いに苦労するようになったしのお。戦に出ても大した戦力にはなれぬ」

「わしもじゃ。膝をやってから走るのも厳しくなってしもうた」

「年は取りたくないのお」

「うむ」

「・・そもそも我らはこの状態で戦に出れるのじゃろうか?」

「・・・」

「・・・」

「考えるのはよそう・・」

「うむ・・」

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