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其の六十八 間に合わず
「結局船の献上は間に合わず、大殿様は前線へと出陣してしまわれたか・・」
「浸水を放置しておったのが失敗じゃったな」
「放置してはおらなんだのじゃが、浸水の理由を探るのに時間が掛かってしまってな。それが分かった時には既に遅かったという訳じゃ」
「船造りは素人じゃからな。仕方なかろう」
「うむ。しかし今回も出陣が叶わず、か・・。武士として良くない事ではあるが、そのような扱いに悔しさを感じなくなってきてしまっておるのが何とも・・」
「わしもじゃ。年を取ったという事もあろうが、な」
「ううむ・・やはりこのままではいかんのお・・。よし、久しぶりに二人で稽古をしようではないか!」
「良かろう。得物は何にする?」
「槍じゃ。それぞれ棒槍を持って打ち込みの稽古をするとしようぞ」
「・・・」
「・・・」
「準備、できたぞ。そちらはどうじゃ?」
「準備万端じゃ!」
「では、行くぞ!」
「応!」
「うっ!」
「ぐへっ!」
「ひ、膝が・・」
「こ、腰が・・」
「・・・」
「・・・」
「止めるか・・」
「うむ・」
「それではな・・うぐっ!」
「うう、腰が・・」




