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暇人侍  作者: 一斗
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其の六十四 話術

「何とか婚姻の話がまとまったわい」

「・・良かったのお」

「・・お主のお陰じゃという事はよくわかっておる。じゃからそのように睨むのはよしてくれ」

「全く・・これに懲りて怪しい動きは見せるなよ。良いな?」

「怪しい動きと言えば忍者のようで何やら心が弾むのお」

「・・良いな?」

「・・うむ。しかし何じゃな、お主の話術も大したものじゃのお」

「話術?」

「夜中に船を造っておったのを、大殿様の元にはせ参じる為夜なべをして船造りに邁進していた、と。これはさすがに思いつかなんだわい」

「忠誠心を見せる事は大事じゃからな」

「なるほど」

「さて、次は婚姻の準備じゃな。ここからはわしは一切手を出さぬ故、気張ってやるのじゃぞ」

「それは大丈夫じゃ。嫁もわしも段取りは分かっておる」

「そうか」

「婚姻当日にはわしが造った船に娘と婿を乗せ、大海原で婚姻の義を執り行う予定じゃからな。上役に船の存在を認めて頂いた故、それも認めてもらえるじゃろう」

「普通の婚儀を執り行え」

「世話になった故、お主にも出席してもらわねばならぬな。と、なると船をもう少し大きくせねばならん。また夜なべをして造り直さねばのお」

「普通の婚儀を執り行えと言うておろうがあああああ!」

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