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暇人侍  作者: 一斗
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其の六十二 発令

「惣無事令なるものが朝廷より発令されたらしいぞ」

「惣無事令?何じゃそれは」

「どうも猿の発案により発せられた勅令らしいのじゃが、簡単に言うと戦は止めよという命令のようじゃ」

「戦は止めよ?つまり国同士の争いは止めよという事か?」

「うむ」

「朝廷から発せられたという事は、それを破れば朝敵になるという訳か・・これは本格的に戦の無い世の中になっていきそうじゃなあ」

「そうじゃな。ただし、我が国はまだ例外のようじゃぞ」

「例外?」

「北東の領地と海の向こうにある島を得ても良いというお達しが来ているそうじゃ。これにより我が国は戦による領土拡大が可能らしい」

「何と!ならばわしらにも戦によって手柄を挙げる機会がありそうじゃな!」

「わしらは西の最前線におる。恐らく出番はあるまい」

「・・やはりそうなるかのお・・。しかし、海の向こうにある島、か・・」

「わしは行かぬぞ」

「まだ何も言うておらぬじゃろうが」

「船造りを無理やり手伝わされたが、乗るとは言うておらぬからな」

「しかし、手柄を挙げるまたとない機会じゃぞ?これに乗らぬ手は無かろう」

「大体にして島の位置が分かっておるのか?でなければ無謀すぎるぞ」

「大丈夫じゃ、お主の艪も用意してある。共に漕ぎ出そうぞ!」

「人の話を聞けえええええ!」

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