其の四十八 後継者争い
「やはり北の大名家では後継者争いが始まってしまったようじゃな」
「うむ。巻き込まれた家臣たちが哀れじゃが、致し方あるまい」
「後継者争いというのは負けた方は言わずもがな勝った方も大して得をせぬものじゃからな」
「勝っても領地が増えるわけではないからのお」
「単なる主導権争いじゃからな。内乱と言ってもよいかもしれん。問題はその火の粉がこちらにまで飛び火せぬかどうかじゃ」
「大殿様が出張る可能性もあるのか?」
「同盟相手じゃからな。こちらにまで飛び火せぬように上手く立ち回る事ができれば、しばらくは戦は起らぬであろうよ」
「戦が起こらぬのは困るが、他人のもめ事に巻き込まれるだけの戦は避けねばならんからのお」
「・・他人のもめ事と言えば・・お主、嫁御には許しをもらえたのか?」
「・・うむ。屋敷の改築は絶望的になってしもうたがな」
「それは仕方あるまい。まあ、許しをもらえて何よりじゃな」
「しかしこうなると伐った材木が無駄になってしまう。何か良い使い道はないものか」
「どうせまた寒くなるのじゃから薪にすれば良かろう」
「薪はそれ用に既に蓄えてある。じゃからこれ以上はいらぬ」
「ならば処分するか?」
「いや、それは勿体ない。・・そうじゃ!罠を外に設置すればよいのじゃ!」
「は?」
「そうじゃそうじゃ、中がいかんのなら外に設置すれば良かったのじゃ。よし、お主の土地の庭を借りるぞ」
「わしの庭は貸さぬぞ。お主の庭でやれ」
「嫁が許可してくれぬ。よし、穴を掘るから器具を持ってくるぞ。二つでよいな?」
「庭は貸さぬと言うておろうがああああ!」




