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其の三十一 病気
「軍が引き返した理由が分かったぞ」
「ほう?結局何が原因じゃったのじゃ?」
「大殿様が倒れられたらしい」
「何!?それはまことか!?」
「倒れたといっても一時的なもので今は快方に向かって居るようじゃがな」
「そうか・・良かった」
「しかしこれで大殿様のご上洛は当分先の話になったのお」
「そうじゃな。まあ、大殿様がご無事で何よりじゃ」
「我々も病気には注意をせねばならんな。どれだけ鍛錬を積んでおっても肝心な時に病気で戦に出れなくなったのでは意味がない」
「わしは病気になど一度も罹った事が無いぞ」
「じゃろうな」
「・・ああ、いや、そういえば一度だけ体を震わせて寝た事があったな」
「風邪をひいたのか?」
「わからん。じゃが夏の夜に寒気がしたらな。風邪をひいていたのかもしれん」
「ふむ」
「童の頃じゃったか古い神社に遊びに行ってな。そこのご神体を誤って壊してしもうたのじゃ。その夜じゃな、寒気がしたのは」
「・・・」
「全く・・寒気がするわ夜中じゃというのにお経も聞こえてくるわで最悪であったわ。今でも度々そのような症状が現れるからのお。医者に見せた方がよいのであろうか?」
「医者よりもお祓いが先じゃな・・」
「何か言うたか?」
「いや・・何も・・」




