其の二十六 京の都
「最近何やら周りが騒がしいのお」
「大殿様が上洛を計画しておるらしい。つまりは出兵じゃな」
「遂に戦か!待ち焦がれたぞ!」
「家臣団のほとんどが戦に出ると聞く。その中で手柄を挙げるのは容易ではない」
「いや、簡単な事よ。誰よりも多く敵を討ち取ればよい」
「それが難しいのじゃよ。兵数が多く家臣団が優秀なおかげで相手が敵対を諦めて降伏してしまう可能性がある。そうなれば戦いが無くなり手柄を挙げる事もできなくなるじゃろ?」
「そうか・・以前のわしらとは立場が逆になるのか」
「そう。今度はわしらが行列の中に入る事になるのじゃ」
「それは困るのお。じゃが、降伏したものを討ち取る事はできん」
「うむ」
「しかし上洛か・・京とはどのような所なのじゃろうなあ」
「都じゃからな。華やかであることは間違いなかろう」
「華やか、か。やはり一度は行ってみたいものじゃ」
「珍しい物もたくさんあるじゃろうしな」
「珍しい物か。どのようなものがあるのじゃろうか」
「想像もつかんな」
「そういえば京には公家が多くいたな。公家と言えば・・蹴鞠か!」
「・・そうじゃな」
「そうか!蹴り石をしたければ京に行けという事か!よし、こうしちゃおれん、腕を磨かねばならん!それそれそれ!」
「また蹴り石をしよった・・」
「今回は大丈夫じゃ!海に向かって蹴れば誰にも当たらぬ・・何じゃこの音は」
「・・お主の集めた材木が崩れておるぞ」
「な、何故じゃあああああ!?」
「不安定に積み上げられた材木に石が当たったのが原因じゃな」
「しまったああああああああ!」




