其の二十五 完成
「ようやく城の普請が終わったか」
「うむ。複雑な作りではないが防御用の城としては申し分ないぞ」
「東からの圧力を防ぐための城じゃからな。と、いう事はいよいよ新しい城主様がお見えになるのか」
「そうじゃ」
「今度の城主様は戦上手と聞く。早くそのお姿をこの目で見たいものよ」
「大殿様の信頼も厚いそうな。その城主様の元で手柄を挙げれば大出世も夢では無いぞ」
「うむ。その時にはお互いにそうなりたいものじゃな」
「そうじゃな。しかしその前に一つ質問がある」
「何じゃ?」
「わしの屋敷の前に置いてある大量の材木。あれはどういう事じゃ?」
「城の普請の時に出た余りものじゃ。わしがもらってきた」
「何故わしの屋敷の前に置いた?」
「お主の屋敷の前が広かったからじゃ」
「なるほど・・」
「あ、待て!火をかけようとするな!それだけが理由ではないのじゃ!」
「・・他に何があるのじゃ?」
「嫁が材木の保管を許してくれなんだのじゃ!それでここに置くしかなかった!」
「・・ふむ。しかし船造りの作業をするならここではなく海の近くの方が良いのではないか?」
「それも考えたのじゃがな。やはりここが一番良いのではないかとの思いに至った」
「何故?」
「毎日この木材を見ておればお主も創作意欲が湧き、船造りを手伝おうとの思いを抱くのではないか、と・・」
「よし、燃やそう」
「やめてくれええええ!」




