其の二十四 対価
「城の普請もそろそろ終わりじゃな」
「うむ。防衛用じゃから急いで作らねばならなかったが、何とか期限には間に合いそうじゃ」
「今のうちに余りものの材木を確認しておかねば」
「・・船を造る件、まだ諦めておらなんだのか」
「当たり前じゃろう?沖に出ればまた違った魚が釣れるやもしれんのだからな」
「まあ、止めはせんが・・」
「そう心配そうな顔をするな。筏は造らぬ」
「筏は諦めたのか」
「うむ。やはり嫁がいる身としては戦以外の危ない橋は渡れぬと判断した」
「なるほど。それは良い心掛けじゃな」
「と、いう訳で手を貸してくれ」
「は?」
「船を造るのに人手が要るのじゃ」
「いや、わしはやらぬぞ。前にも言うたであろう」
「そう言うな。城の普請が終わればしばらく暇になるじゃろう?」
「何を言うか。また違ったお役目を与えられてそれどころではなくなる。それはお主も同じじゃ」
「確かに。ならば交代番でお役目が無い時に船造りに加わるというのはどうじゃ?」
「じゃから・・」
「対価を払う、と言ったらやってくれるか?」
「対価?工賃を払うという事か?」
「うむ」
「それならばやっても良いが・・どうやって費用を捻出するのじゃ?」
「それはもちろん、魚を売って作った金じゃ」
「却下」
「ううむ・・やはり駄目か。ならば魚を二匹つける。これならどうじゃ?」
「やらぬ」
「ええい、ならば魚五匹、これでどうじゃ!」
「食いきれぬわあああ!」




