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暇人侍  作者: 一斗
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其の二十二 船

「船が欲しいのお」

「何じゃ突然」

「珍しい魚が釣りたくてな」

「金はあるのか?」

「無い」

「ならば無理じゃな。諦めよ」

「しかしのお・・そこに海があるのに船が無いというのも惜しい事ではないか」

「ならば誰か漁師に頼んで船に乗せてもらえばよいではないか。ただでとはいかぬじゃろうがな」

「やはり金がいるか」

「うむ」

「ならば作るしかあるまいな」

「船を造るのか?」

「そうじゃ」

「しかし、材料が無くては船は造れぬぞ。それを買うにも金が要る。どうするつもりじゃ?」

「それについては妙案がある」

「何じゃ?」

「城の普請が始まり、大量の材木や石材が運び込まれておる。その余ったものを頂戴して造るのじゃ」

「なるほど、それは妙案じゃな。ただ、それができるのは城が出来上がった後じゃぞ。しかも造るにしてもお主一人では日数が掛かるじゃろうし。船が出来るのに何年掛かるやら」

「いや、それほど日数は掛からぬ。材木が手に入るのが城の普請が終わった後というのは正しいが」

「何か良い案があるのか?」

「筏にすればよい。そうすれば材木もそれほど要らぬし日数もかからぬ」

「筏?それはさすがに危険ではないか?」

「大丈夫じゃ。お主も座れる大きさの筏にする」

「だから釣りはせぬと言うておろうがあああああ!しかも危険な航海にわしを巻き込むなあああ!」

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