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暇人侍  作者: 一斗
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其の二十 海

「引っ越しは終わったが・・相変わらず暇じゃのう」

「城主様は新しい城の普請に取り掛かるらしい。そうなれば暇ではなくなるじゃろう」

「やはりこの辺りは重要な防衛拠点になるのか」

「うむ。東からの圧力を防ぐにはこことここより東にある城が防衛を担わなければならぬからな」

「東からの圧力か・・今度こそ武功を挙げる機会があればよいが」

「あともう一つは海の存在じゃな」

「海?」

「ここら辺りは海が近く海運での貿易も盛んに行われておる。拠点を増やして支配地固めを行い、貿易で得られる収入を確実に得ようという思惑もあるのであろう」

「なるほど、貿易か」

「うむ。ここならば東や西の珍しい物も手に入るじゃろうな」

「・・珍しい物・・か。手に入れるにはやはり金が必要じゃろうなあ」

「何を思案しておる。言うておくが盗人のような真似は絶対にするな」

「そのような事はせぬ。しかしここにある貿易の拠点は使わぬ手は無いのではないか?」

「それはそうじゃが・・」

「よし!ならば釣った魚を市場に売ってゆくぞ!珍しい魚を釣れば相場より高く売れるはずじゃ!」

「ここらでそのような珍しい魚が釣れるかは怪しいがな。それと、城の普請が始まればそのような事もできなくなるぞ」

「大丈夫じゃ、お主と共同でやれば交代で釣りができる」

「お主一人でやれ」

「釣り竿はどうする?お揃いのを買ってくるか?」

「人の話を聞けええええ!」

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