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暇人侍  作者: 一斗
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其の十九 荷物

「祝言を挙げたばかりじゃというにまた引っ越しか・・」

「戦に勝った後の配置換えなら仕方あるまい」

「それはそうじゃがな。結納品などがあって荷物が多くてのお」

「そうか、結納品があったか」

「うむ。じゃから前よりも荷車が多くいる」

「そうか」

「・・・」

「何じゃその顔は。言うておくがわしにも荷物があるのじゃぞ。お主の荷物を積む余裕は無い」

「そこを何とかしてくれ。婚儀でわしの懐はまた寒くなってしもうてな。荷車を借りる余裕もないのじゃ」

「お主の浪費癖も一因じゃろうが」

「それは重々承知しておる。じゃがそれでも頼む。わしの為ではなく嫁の為なのじゃ」

「・・仕方のない奴じゃ。少しじゃが空きがある。荷物をそこに入れよ」

「ありがたい!恩に着る!」

「・・・」

「持ってきたぞ!ええと、これと、これと・・」

「ん?」

「ええと・・後はこれと、これと」

「ちょっと待った。なんじゃその尋常ではない着物の数は?」

「嫁の持ち物じゃ」

「は?」

「嫁は着物の収集が趣味でな。実家から数十着持ってきたのじゃ」

「・・まさか・・厄介払い・・?」

「何か言うたか?」

「いや・・何も・・」

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