其の十六 新城主
「城主様が交代するようじゃな」
「うむ。代わりはあちらから派遣されてくるそうじゃ」
「あちらの城主様か・・どのようなお人なのかのお」
「わからん。ただ、あちらとは勝手が違うから苦労しそうじゃがな」
「勝手が違う、か。具体的にどのような違いがあるかの」
「まずは海のある無しじゃな。あちらは内陸じゃがこちらは海が近くにあり、魚類や塩に困る事が無い」
「なるほど」
「そして土地の種類が違う。こちらは耕す場所が多くあるが、あちらは山に囲まれており、鉱山資源には恵まれておるが耕す場所が少ない」
「米を作る場所が少ないという訳か」
「うむ。あと、あちらは雪が降るが、こちらは雪があまり降らない」
「ここは比較的暖かい場所じゃからな」
「じゃから新しい大殿様もこちらの土地が欲しかったのであろうよ。暖かく海もあり、土地にも恵まれておるからな」
「我らのおる場所は彼らにとっては憧れの場所じゃったという事か・・しかし鉱山資源は正直こちらがうらやましいぞ」
「金山の事か」
「金山、良い響きじゃなあ。そこに潜り込む事はできんかのお」
「潜り込めたとしても、金を懐に入れる行為は無理じゃと思うが」
「やはり無理か・・ならばこの金山の場所が書かれておる地図を『宝の地図』じゃと言って売りさばくしかあるまい」
「それは止めておけ」
「なぜじゃ?」
「売った後で大殿様にこの地図の存在が露見すれば、ただでは済まぬぞ。確実に首をはねられる」
「・・何という事じゃ・・買い損ではないかああああ!」




