幼馴染と海
あれから数日経って、8月1日に俺達は海に来た。女子とは水着の着替えに手間がかかるものなのか、サンサンと照りつける太陽の下、パラソルやレジャーシートを用意する俺達。着いた時にあの結愛と月島の天真爛漫コンビに「男の方が先に終わるでしょ」「設置よろしく」と言われて、レジャーシートとパラソルを押し付けられた。そりゃ小さい頃に来たときにも女の方が遅かったけど……。
「宮、そっち持ってくれ」
「ん、了解」
俺と宮が黙々と設置しているのはまだいい。だが一緒にいるのは完璧イケメンと大人イケメンなあの久遠と凛斗だ。声をかけられないはずがない。
「君かっこいいね〜、私達と一緒に泳がない?」
「すみません、今日は友人達と遊びたいので」
「え、君高校生?大学生くらいかと思った、ねぇ一緒に遊ばない?」
「綺麗なお姉さん達のお誘いは嬉しいけど、友人達と来てるから」
逆ナンを軽くあしらってる2人。とっとと逆ナン終わらせて来いよな。女子が来る前に、誤解されるぞ。
「ごめーん!お待たせ〜!」
「やっと来た……か……」
見てつい言葉を失った。文句なしにくっっっそ可愛いっ……。と声に出さないが正直な感想だった。白いオフショルとスカートの水着とか……。しかもいつもと違って髪をサイドテールにしてる……。俺は結愛を好きになってからまともに水着姿なんて見てなかったからこそだろうなぁ……。そう思ってると宮が月島に猛スピードで駆けて行き、宮が自分の羽織ってた上着を月島に羽織らせた。
「わ、ちょ……なによ宮」
「いいから海入らない時はそれ着とけバカタレ!」
宮顔真っ赤だぞ。こんなに分かりやすいのになんで月島は気づかないんだろうか……。
「初野さんの大人っぽくていいね、可愛い」
「あ、ありがとう……綾音くん」
「恋花のワンピースタイプなんだ、似合ってるし可愛いよ」
「ありがと……」
俺達の海パンはシンプルに白と別の色のグラーデーションの海パンにした。俺は青、宮は赤、久遠はネイビー、凛斗は黄色。何気に男子が色違いのお揃ってキモくね?大丈夫か?そういえば宮って意外に派手な色似合うんだよなぁ。
「蓮、この水着どう思う?可愛い?」
俺の気持ちも知らずこいつはっ……!
「まぁ……似合うんじゃね?」
こういうしかないだろう。正直に可愛いって簡単に言えるわけないし、似合うと言うのが俺にとっては精一杯だった。
「そ、そっか……」
それにしても……、本当女子達の方は4人揃うと目立つ。俺達の学校にはプール授業がないからな。普通の水着姿は尚の事視線を集めるだろう。確実にこの4人だけで来てたらナンパされまくって遊ぶどころじゃなかっただろうな。中でも初野はやっぱり一番見られてる。そのことに久遠が気づかないわけがなく、自分の羽織ってたパーカーを羽織らせる。
「海で遊ぶ時以外は俺のパーカー着ておいた方がいいよ、少しでも日焼け防止になるといいけど」
「あ、でも……」
「いいから、ね?」
宮と月島はなんだかんだで言い合いは落ち着いたようだ。それに3人と違って、鏡恋花はちゃんと上着を持参していたようだ。俺は上着を脱いで結愛に羽織らせる。
「お前も海に入る時以外は羽織ってろ、海に入ったら体温も下がるだろうしな」
それらしい言い訳で俺は上着を貸す。まぁこの可愛い水着姿を他の奴にあんまり見せたくないって理由もあるけど。こいつがあまりにも無防備すぎるから!こっちの気も知らずに……。そう思いながら各自で準備運動を始める。海の中で足でもつったら大変だからな。
準備運動を終わらせて、海に足を浸すと心地よい冷たさが伝わる。海ってプールの水とはまた違った心地よさの冷たさだよなぁ。結愛は月島達と楽しそうに足がつく場所で水の掛け合いをしている。あれも正直言って……。
「めちゃくちゃ可愛いんだよなぁ……」
「めちゃくちゃ可愛いんだよなぁ……」
いつの間にか隣にいた宮と見事に声がハモった。
「宮……お前やっぱり……」
「何も言わんでくれ……頼むから……」
分かってたいたけど月島のことめちゃくちゃ好きだなと言おうとすると、宮は顔を真っ赤にして後ろを向き遮る。
「何?自分達の天使の戯れに見とれてたのか?」
「確かに可愛いけどさ、凛斗恥ずかしくないの?」
久遠の意見に同意しかない、天使とか恥ずかしくないのかよ。
「宮としては複雑だよね、月島さんにすごくよく似合う水着だけど、結構露出度高いからあんまり他の男の視線に晒したくないよね」
まぁ初野と鏡の水着も可愛いけど露出度は低めだし、結愛も月島に比べたら露出度は低めだ。それに露出度が高い分、スタイルがよく見える。スタイルがいいわけではないと思っていたけど水着姿になって分かったのは月島は着痩せするタイプだってことだな。そんなこと言ったら宮に殴られそうだから黙っておくけど、どちらかと聞かれればスタイルいい方なんじゃないか?ナンパされようものなら宮は多分光の速さで飛んで行くと思う。宮って多分俺達が思う以上に、月島のことが好きだろうから。でもまぁこんな時間も悪くはないか。




