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「本当に行っちゃうし……」
(私も連れてけ)
慧は和が「すぐ戻る!」って言って手の届く場所から離れていくのが嫌だった。
和は目当ての店の横に付けて、後ろを見る。
これで慧に見られていたら、あんなにも悲しそううな顔をさせた意味が無い。
和は決して友人が多い訳では無い。
自分で選り好みして、勝手に選別して、徐々に関係という糸をほつれさせていく。
お互いに千切れた糸を見合っても言葉は無い。
精々目でお別れを言うだけ。
和はそれでいいと思っていた。
けど、慧は文句は言うし、怒るし、呆れるし、今迄の友達とは違った反応をする。
するから、馬鹿をやっている気がする。
本当はもっと大人だと思う。
思慮もある。配慮も出来る。空気だって読めるだろう。
この人の駄目な線引きも見える。
それは慧が引く線だって見えている。




