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どうしても行っておきたい場所がある。
そう前置きをして話し始める和に、時間は大丈夫なのかという不安を伝えても、平気、平気と何処吹く風。
いつもそうだった。
寮に入るタイミングが一緒で、一緒の学校で、一緒のクラスで。
高校生になって始めて出会った言うのに、何十年来の友人みたいに直ぐに慧の懐に潜り込んできて。
でも、それは慧は嬉しかった。
友達は居る。
けど、それよりも。もっと親しい友人は居なかった。
慧は和を親友と読んで差し支えないと思っていた。
けれど、1年、2年と時間を重ねるにつれてどうしても嫌な部分も見えてくる。
指摘するか迷った時もある。
鬱憤か爆発してぶちまけた事もあった。
ただ、笑って受け止めただけ。
「それが私。慣れて」
呆気に取られた。慧はどうしようもなく惹かれていた。
真逆で、常に振り回してきて、それでいて慧を必要とする。
依存するには無理のない人物だった。
そして、それは今もそう。




