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美兎は「じゃ」と言ってそそくさ校内に入っていく。
迷いもなく、一人で。
鈴桜はその背中をしばらく見ていた。
小さくなっていく背中を。
「あれ、各務さん。早いね〜じゃなくて美兎は!?」
舞が走ってきたのだろう。息を切らせて鈴桜に気付いて立ち止まり息を整えながら美兎を探している。
スっといなくなった背中を指さした。
「もう、行っちないましたよ」
「一言くらい……。ありがとう」
舞は一瞬眉をひそめたが、鈴桜にそう言って急いでクラス分けを見に行った。
「……ごめんなさい」
鈴桜が呟いた言葉は何に対してなのか。
鈴桜は歩き出す前に舞を見ようとして辞めた。
下駄箱は身長よりも高くて、1番上だったら大変だなあと思いながら自分の名前を探していた。
ちょうど真ん中位の高さで安堵して靴を履き替える。
中学までとは違って所謂便所サンダルに。
少し変な感じと思いながらペッタペッタと歩きにくさを感じながら割り振られた教室へ向かう。
今日は全員が同じ時間帯に一切に来てるからすごく混んでいて、同じ地区に居た子達は寂しさや孤独感を紛らわすために一緒になって喋っているようだった。




