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はてさて、初々しい新学期。
昨年まで中学生だった鈴桜にすれば、楽しみでもあり、少し寂しくもあり、緊張もする。
今年は3月が思ったよりも暑くて高校の桜は青葉も目立つ。
その満開を通り過ぎた桜を見ながら苦笑い。
(まあ、こんな事もあるよね)
「各務さん、正門でクラス分け表が出されてるから」
美兎が寮長として寮と学校の登下校の道案内をしながら今日は来た。
普段は遅刻ギリギリまで粘っているらしい。
頑張った方だ。
「1年は友達と一緒になれたとか無いですから、ドキドキもあまりしませんね」
「そっか、そんなものか。私は、どうだっただろう」
美兎は目を細め3年ではなく、1年のクラス分け表を見る。
過去と今と。
比べるのもができた人は過去を思い出して、「大した事もなかったな」と呟いた。




