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第70話 宿命とライバル

咲の窮地。そのころ別の場所でも?

 前後には自身の命を狙う猛者が二人。相手は話し合いをする気もない。そんな状況になり、咲が見せたのは不安の表情ではなく、


 咲「(なんだろう。負ける気がしない。)」


 不敵な笑みだった。


 アルドフ「ほう、この状況で笑顔とは。随分と余裕そうですね。」


 咲「まあね。負ける気はないし。」


 アルドフ「ふふふ、随分なめられたものですね。セロ兄さんを倒したからって調子に乗らないことです。」


 ジークレイン「なあ、兄貴。そろそろやろうぜ。戦いたくてうずうずしてきたぜ。」


 ジークレインの魔力出力がどんどん上がっていく。


 アルドフ「そうですね。そろそろ始めましょうか。最も、あなたが期待しているようなやりがいのある戦いはできないと思いますがね。何せこちらは二人。数的有利は戦闘の基本です。」


 咲「確かにそうだね。でも忘れてない?」


 その時、咲の足元に魔法陣が展開される。


 咲「私は一人じゃないよ?」


 アルドフ「(この魔力…)なるほど。そう言えばそうでしたね。」


 魔法陣からの魔力を感じたアルドフが警戒心を上げる。


 ベルザ「久しぶりだな。二人とも。」


 そこからは、ベルザが召喚されたのだ。この数週間の修行の甲斐もあり、ベルザも体を保つ時間が増えていた。


 ジークレイン「お、本命登場じゃねえか。こりゃやりやすくなったな。」


 咲「ベルザ。アルドフをお願い。」


 ベルザ「すみません。本来なら私が二人を相手しなければならないのに。」


 二人が背中を合わせ、それぞれの相手と対峙する。


 アルドフ「昔と同じと思わないことですね。」


 ベルザ「まあ、お手並み拝見ってところだな。」


 咲「ねえ、そのマスク。邪魔そうだね。取ってあげようか?」


 ジークレイン「はっ!ほざけ。やれるもんならやってみろ。」


 こうしてとある道のど真ん中で、とてつもない魔力が押し合い凄まじい戦闘が幕を開けようとしているのだった。










 一方その頃、学校で組手をしていた神宮寺達は、今までとは比べられないほど激しい戦闘を繰り広げていた。


 湊「っと、速いな。ギリギリだわ。」


 神宮寺「いや、なんで対応できてんだよ。こっちは雷の速度のつもりなんだがな。」


 碧「やっほー。やってるー?」


 碧が入ってきたそれと同時、ちょうど碧の方に魔力弾の一つが向ってしまった。


 湊・神宮寺「あ」


 碧「え?」


 その瞬間、碧に魔力弾が直撃してしまった。


 碧「なんでーーーー!」


 知鶴「え!?何事なの?」


 穂乃香「碧様?大丈夫ですか?」


 遅れて入ってきた二人が心配して碧に駆け寄る。


 神宮寺「す、すまん。まさかそんな丁度のタイミングで来るとは。」


 湊「ああ、大丈夫。多分少し寝かしてたら起きるから。」


 そう言いながら湊が手際よく白目をむいて気絶した碧を運ぶ。


 知鶴「ず、随分と慣れてるわね。」


 湊「まあ、中学のころとか能力使って巻き込まれるとかよくあったしな。特に碧はよく被害受けてたな。」


 知鶴「そ、そうなのね。(なんて運の悪さなの。)」


 神宮寺「あれ、雫ちゃんは?」


 穂乃香「病院に戻られました。少しでも回復を早めるためにと。」


 神宮寺「そう。あんまり無理しないといいけど。」


 そんな世間話をしていると、剣道場から観月と椎名が出てきた。


 観月「おお、知鶴殿に穂乃香殿か。来ていたのか。」


 椎名「ヤッホーお二人さん。って、なんで碧ちゃんは倒れてるの?」


 神宮寺「湊がやった。」


 湊「ちょっと待て!確かに俺にも責任はあるけど押し付けるのは違うだろ!」


 そんないかにも学生らしい会話をしているときだった。


 ?「ははは!強くなってるみたいだな。嬉しいぜ。」


 その言葉と同時、体育館の天井からとてつもない勢いで何かが降ってきた。


 碧「うわぁ!な、なに!?」


 湊「っ!なんだ!」


 ?「よお、やっと会えたぜ。待ちわびたぜ。この時を。」


 土煙が舞う中、その聞き覚えのある声を聴いた湊が警戒心を最大にする。


 湊「……よお、俺も会いたかったぜ。サタン。」


 土煙が晴れ、その姿が見えてくる。そこには湊に異様に固執し、ライバル視しているサタンがいた。


 サタン「やっとお前とまたやれる時が来たんだ。もう邪魔されるのはごめんだ。ここで決着をつけようぜ。ってわけだから。お前ら、そいつらを頼むぞ。」


 その言葉と同時、後ろから魔界への穴が出現し、そこから二つの影が現れた。


 マモン「おお、こいつは豊作だな。いい能力持ちがいっぱいいやがる。」


 レヴィアタン「新しい力の実験体になってもらうぞ。」


 そこには同じ七大悪魔のマモンとレヴィアタンがいた。その時の魔力を感じた全員に違和感が走る。


 碧「レ、レヴィアタンと、マモン?(前会った時と何か違う?)」


 知鶴「あなた達も懲りないわね。いい加減にしなさいよ。」


 穂乃香「もう逃がしはしません。ここで倒します。」


 観月「香澄。やるぞ。」


 椎名「OK響谷。」


 神宮寺「おい、この前襲撃した時に壊れた部分が最近治ってきてたのに。また派手に壊してくれたな。」


 そう言って全員が戦闘態勢に入る。


 レヴィアタン「サタン。ここに置いていくのはそいつだけでいいのか?」


 サタン「ああ、それ以外の奴は好きにしろ。」


 レヴィアタン「わかった。マモン、やれ。」


 マモン「ったく、便利な道具みたいに使いやがって。」


 そう言いながら、マモンが神宮寺達の足元に魔法陣を展開した。


 知鶴「これは、まさか!」


 マモン「さあ、遊ぼうぜ?」


 次の瞬間、湊とサタンを除いた全員が転移されたのだ。


 湊「っな。転移魔法?」


 サタン「さあ、これでタイマンでやり合えるな。」


 湊「……まあ、悪くないか。俺もタイマンしたかったしな。」


 サタン「お、いいな。さあ、楽しもうぜ!」











 氷華「っと、ここの問題も解決かな。」


 その頃、氷華はいつもの様に国からの仕事をこなしていた。その時、一本の電話が入る。


 氷華「ん?電話?」


 氷華が電話に出ると相手は雷斗だった。


 氷華「雷斗。どうした?」


 雷斗「氷華、緊急事態だ。」


 雷斗の電話越しからでも伝わる焦りを感じた氷華が真剣な顔になる。


 氷華「どうした?」


 雷斗「消息不明の三人についてなんだが……」


 電話越しに伝えられた内容を聞いた氷華から、とてつもないほどの魔力があふれ出る。


 氷華「……その場所を今すぐ教えろ。」


 雷斗「……氷華、何する気だ?」


 氷華「決まってるだろ。殲滅だ。」

次回

戦闘開始。そして氷華の向かう先とは…

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