表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/77

第69話 最強のトラウマ

 氷華の所へ向かう途中、咲は氷華の声色の変化に疑問を持っていた。


 咲「(なんかいつもの冬季と違ったな。何かあったのかな。)」


 碧「咲?どうかしたの?」


 咲の様子を見て様子の変化に気づいた碧が咲に声をかける。


 咲「いや、何となく冬季の声が変だった気がして。」


 知鶴「変?震えていたの?」


 咲「いや、そういうわけじゃないんだけど。」


 そうこうしているうちに、咲達は目的の場所に到着した。


 氷華「来たか。」


 咲「うん、来たよ。それで何?話って。」


 そう問いかけると、氷華の雰囲気が変わった。そこには、怒りと憎悪が垣間見えた。


 氷華「……燐たちが、消息不明になった。」


 咲「は!?」


 その言葉を聞いた瞬間、その場にいた全員が耳を疑った。


 碧「ど、どういうこと?何かあったの?」


 知鶴「いや、あの四神に限ってそんなことあるはずが…」


 氷華「僕も最初はそう思った。あいつらの実力は僕が一番よくわかってる。だが、実際あいつらと連絡が全く取れない。」


 氷華からの言葉に、その疑わしい現実が嫌というほど理解させられる。


 穂乃香「それで、何かわかっていることはあるのですか?」


 氷華「少しね。雷斗からの情報が来てるんだ。」


 そうして氷華が話し始めた。








 それは、雷斗のお見舞に燐たちが来ていた頃の事だった。


 燐「おーい、生きてるか?」


 水葉「まあ生きてなかったら墓は立ててあげるから。」


 雷斗「生きてるわ。縁起でもないこと言うな。」


 その日、四人はいつもの様に冗談交じりで会話をしていた。


 風露「それで、傷はどうなの?」


 雷斗「問題なく回復してるぞ。まあもう少し時間はかかると思うが。」


 燐「まさか、自分が仕事したくないからってわざと治療を遅らせているんじゃないのか?」


 雷斗「お前と一緒にするな。俺は真面目に生きているつもりだ。」


 水葉「そこは自信もって言いなさいよ。」


 そんなたわいもない話をしているとき、水葉が少し真剣な表情になって話し始めた。


 水葉「で、雷斗。言っておかなきゃいけないことがあって。」


 雷斗「お、なんだ?人生相談か?」


 水葉「んなこと今更しないわよ。実は、また八聖人に呼ばれててね。」


 そのことを聞いた瞬間、雷斗も一気に真剣な顔になる。


 雷斗「なんだと?」


 水葉「今回は、四神のみ招集がかかってる。氷華には伝えるなと。」


 前回の召集の時、氷華は八聖人の人の心を感じられなような考えを耳にして、心底頭に来たのか八聖人の一人を殺しかけたのだ。それを警戒してか、今回は四神のみの召集となった。


 燐「おそらく話題は、前回と同じだろう。ったく、しつけえ奴らだな。」


 風露「でも、雷斗はまだ動けそうにないから、私たち三人で行くことにしたの。」


 雷斗「その心遣いはありがたいが、少し危険じゃないか?」


 八聖人は目的のためなら手段は選ばない。いつ武力行使に出るか知れたもんじゃない。


 水葉「心配しなくていいわよ。あんなクソジジイどもが何をしようと私たちに通用するわけがないでしょ?」


 燐「ま、そういうことだ。お前は安心して待ってろな。」


 雷斗「……わかった。頼む。」


 その後はたわいもない話をして、三人は病室を去っていった。ちなみに、三人はお見舞い品を何も持ってこなかった。


 雷斗「薄情者どもめ!」










 氷華「この会話を最後に、三人との連絡が取れなくなったそうだ。」


 咲「そうだったんだ。」


 碧「話を聞く限り、八聖人が何かしたんじゃないの?」


 氷華「まあそうだろうな。だが、いくら聞いても、あいつらは知らぬ存ぜぬばっかでな。情報が更新されないんだ。」


 状況は咲達の思っていたよりまずかった。何せ、五人いる最高戦力のうち三人が行方不明なのだ。このままでは攻め込まれた時に迎え撃つ戦力が足りなくなる。


 知鶴「これはよく調べる必要がありそうね。」


 その時、穂乃香のスマホに連絡が来た。


 穂乃香「おや、神宮寺さんからですね。」


 咲「なんてきてたの?」


 穂乃香「どうやら今から組手をやるそうなのですが、私たちもどうかって。」


 碧「いいね。今の話聞いて丁度トレーニングしたいと思っていたところなんだ。」


 知鶴「私も思っていたところよ。穂乃香も行くわよね。」


 穂乃香「もちろんです。」


 碧「よし、じゃあ行こうか。じゃあね。冬季。」


 そう言って碧達はその場を後にした。


 咲「……」


 氷華「?咲はいかないのか?」


 咲「あ、いや。その……」


 咲は電話の時に感じた違和感を聞こうとした。だが、聞いていいものかと心が躊躇してしまった。


 氷華「……ああ、なるほどな。」


 その言葉を聞いたとき、ふと咲が顔を上げて氷華の顔を見た。その目は白く染まっていた。


 咲「まさか、神眼って心も読めるの?」


 氷華「まあな。ごめん。悪いこととはわかってたんだけど。」


 咲は見られたことよりも氷華のチートっぷりに驚いていた。


 氷華「実は、本当は今日、僕の過去を話そうと思ってたんだ。霜凪氷華の歴史をね。でも、さっきそのことを思い出したとき、突然吐き気が僕を襲ったんだ。だから急遽、皆と情報共有をする方向に変更したんだ。」


 咲「冬季…」


 氷華「心配してくれてありがとう。そしてごめんな。僕は大丈夫だから。」


 氷華はそう言っていつも通りの笑顔を見せた。


 咲「…冬季。」


 咲はそう言いながら氷華の手を握る。


 氷華「?」


 咲「大丈夫。私は待ってるよ。話せるときになるまで。だから、気にしないで。」


 咲のその言葉を聞いて、氷華は安心した表情を見せる。


 氷華「ありがと。」


 咲「うん。」


 そして、二人は会話を終わらせて、氷華は仕事へ、咲は碧達の所へ向かった。


 咲「私も特訓しないと!急げ急げー!」


 咲がそう言って走りながら目的地へ向かっていると


 ?「ようやく一人になってくれましたか。」


 咲「!?」


 突然咲の前後に魔界への穴が開く。


 アルドフ「さて、ベルザ兄さんを渡してもらいますよ。」


 ジークレイン「よう!お前が咲か?ま、覚える必要もないか。」


 咲「アルドフ。そして、こっちが言ってたジークレイン?」


 ベルザ「はい。そうです。」


 アルドフ「もう問いかけることはしません。力づくで奪うか、そのまま殺します。」


 ジークレイン「ははは。手っ取り早くていいな!よし、やろうぜ!」


 そうして二人が魔力を全開にして戦闘態勢に入る。


 咲「逃げ道はなさそうだね。いいよ。二人まとめて相手して見せる!」

次回

二体一?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ