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キク -幼少編ー  作者: 麻本
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20/24

20-1

あたいと空さまを始めとする一行は、千歯山の麓に着いた。

 「ここじゃな。千歯山は」

山の麓に着いた空さまが上を見上げる。

それに釣られる様に、あたいも上を見上げた。

 すると、そう遠い様な感じも無く、山の頂上を見る事が出来た。

千歯山の標高は、そう高くは無いようだ。

しかし、上を見るにつれ、急な斜面になり、大きな岩肌が見えている。

「うーん。崖だらけ。空さま。女は、どうしてこんな所にあたい達を呼んだんでしょうか?」

「多分、戦いやすい舞台だからじゃなかろうかね?」

「えーっ!?」

「『えーっ』じゃのうて。女がこんな場所に呼んだのは、その女自らが決着をつけるために用意した舞台

なんじゃろうよ?わらわ達は、それを打ち砕かねばならんのじゃ。方法はきっとあるはずじゃ。では、行くぞ」

そして皆で表参道を歩く。その道は、そんなに広くはなく、でこぼこがかなりあり、時折手をつかないと

登れない場所が多数あった。

 でもそういう険しい所をあたいは、妖力をちょっと使って高く跳躍し、難なくこなす。

それは、空さまも一緒だ。

でも。

「おーい!空さんにキクちゃん。待つのだポン!ワシたちに跳躍の術は無いんだから」

「あい、分かった」

空さまがそう、返事をして待つ。

それから、また登り始める。そして、次の険しい場所に来た時だった。

「あちゃー。またかポン!どうやって登ろう?」

「何じゃ。手を貸そうか?」

「それは助かるポン」

空さまは、ポン太郎の手をとり、そして引っ張った。

「なんじゃ。重いな!ちゃんと力入れとんのか?ポン太郎」

「入れてるポン」

「しかし、どうにかして体重を減らせないものかねえ?妖術とかで」

「妖術で体重を減らす事は出来るポン!」

「何じゃ?出来るんかい!」

「でも。でもだポン。ここで妖術を使ったら、後で影響するかも知れないポン」

「それは、妖術の温存かい?」

「そうだポン」

「ふむ。やむ負えんな。頑張って普通に登るか」

「それがいいと思うポン」

空さまとポン太郎おぢさんの話を側で聞いていたあたいも、これから先は、着くまで妖術を温存する事にした。

そして、また歩いて登り、山の中腹に差し掛かった時、視界が開き、その場所は結構な広さの平地になっていた。

だが、その前方には、緩やかな斜面の岩場があり、前には進め無さそうだ。

 そして、その岩場の麓に、女と複数の男性が待ち構えていたのだ。

「あんたたち。果たし状はしっかり見たみたいね。しかし遅い!待ち焦がれたわよ!」


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