『THE ACE 2~Eternal Sky~』出演者インタビュー(1/2)
映画誌『週刊 映画観ようぜ』曰く――
さて、観客の評価は精一杯よく言っても今一つだったものの、前作に引き続き圧倒的な映像美と豪華出演陣が揃った本作。
本誌はやはりこの怪作にいち早く目を付け、出演俳優陣へとインタビューを打診したところ、快諾を得ることができた。
後になって知ったことだが、打診があった際の本誌含む広報へのインタビュー出演も、契約内容に含まれていたとのことだったらしい。
さて、当時は3名の方にインタビューをさせていただいた。
前作に引き続き不知火映画に出演した『武藤 奏一』氏(細川忠興役)、当時から人気俳優だった『皇木 翔』氏(真田信繁役)、そしてガーゴイル氏(本人役)である。――(ライター 山田山田夫)
――まず、皆さんの自己紹介をお願いいたします。
武藤奏一(役:細川忠興):
「武藤です。前作に引き続き、細川忠興役で出演しています。よろしくお願いいたします」
皇木翔(役:真田信繁):
「皇木です。真田信繁役です。一般的には真田幸村で有名ですね。よろしくおねがいします」
ガーゴイル(役:ガーゴイル):
「ガーゴイルだ。前作に引き続き本人役での登場だな。よろしく頼む」
――ガーゴイル氏も、普段は魔界に?
ガーゴイル:
「いや、私は普段は人間界にいる。魔界に帰ることもあるが」
皇木:
「え、そうなんですか?」
ガーゴイル:
「うむ。ガーゴイルとは、元は魔除けで教会などにいる存在だからな。普段は懇意にしている教会の軒先で大人しくしているぞ」
武藤:
「僕も本人に聞くまで知りませんでした。ゲームの影響とかで、てっきり西洋の妖怪だとばかり」
ガーゴイル:
「西洋の妖怪というのはあながち間違っていない。嘆かわしいことだが、人間に悪さをする個体も少ないながら存在する。武藤氏がそう思うのも無理はないところだな。これは我々ガーゴイル族が是正していかねばならない問題点だ」
皇木:
「すごい人格者ですね…」
――――――――――
――本作に出演されたきっかけは?
武藤:
「僕はやっぱり、前作も出演させていただきましたから。新人なのに、今回は準主役級ですし。オファーをいただいた時点で断る理由はありませんでした」
ガーゴイル:
「私もだ。今作については非常に重要な役目と言うことで、ガーゴイル族のイメージアップにつながるのではないかと思った」
皇木:
「僕は…真田さん(※)がきっかけですね」
(※:真田義雄。ベテラン俳優。前作から引き続き徳川家康役で出演。)
武藤:
「真田さんとは、同じ事務所なんだよね」
皇木:
「はい。真田さんってけっこう豪快な人で。僕も昨年二十歳になって、色々お店に連れて行ってくれるようになったんですが、その席で自分が最近行った現場のこと教えてくれるんですよ。もちろん、守秘義務に反しない程度に」
ガーゴイル:
「ほう。映画の家康と同じタイプなのか」
皇木:
「さすがに、あそこまでではないですが(笑)。それで、前作『THE ACE』の現場のことも教えてくれたんですが…『わからん!』『さっぱりわからん!』『ワケがわからん!』って笑いながら言ってまして」
武藤:
「それは……そうかもしれない(笑)。俺もまさか本物のガーゴイルさんや魔界鮫さんがいるとは思わなかったし」
ガーゴイル:
「撮影は非常に金をかけ、スタッフも優秀、その挙句に台本がアレだからな」
皇木:
「そこはノーコメントで(笑)。とにかく、『真田さんがここまで言うなんて、いったいどういう現場なんだろう』と興味がわいてきたのがきっかけの一つですね」
――そこにオファーがあった?
皇木:
「はい。あとは、出演料が凄くて。『相手方、数字…っていうか、桁を間違えてませんか?』と聞いたら『先方からは確かにその額でと言われています』って」
ガーゴイル:
「いくらだったのか?」
皇木:
「それはさすがに、答えるわけには(笑)」
武藤:
「俺も出演料は驚いたよ。新人なのに。『桁三つくらい間違ってません?』って思った」
ガーゴイル:
「皇木氏も武藤氏も演技は非常に素晴らしかったからな。監督の査定では、そのくらい出す価値があると考えたのだろう」
皇木:
「ありがたいお言葉です。お金を出してるのも不知火監督らしいので、ここは本当に感謝ですね。ただ…」
武藤:
「不知火監督、どうしてあんなにお金持ってるんだろうって現場で話してました。みんなで。いや、我々としては本当にありがたいんですが」
――ここは紙面に載せても?
武藤:
「監督がいいって言うなら(笑)」
ガーゴイル:
「破格の出演料を出していると世に知られれば、有能な人材も集まりやすいからな。『まずは隗より始めよ』ということだろう。もっとも、皇木氏も武藤氏もすでにかなり優秀であるが」
皇木:
「ありがたいお言葉です」
――――――――――
――最初に台本を読んだ時の感想は?
武藤:
「前作よりも人間関係がしっかりと書かれているな…と思いました」
皇木:
「僕は…なんと言っていいのか、非常に斬新な歴史解釈だな、と思いました」
武藤:
「例えば?」
皇木:
「そりゃ序盤からですよ(笑)。家康はまだわかるとしても、大野治房の存在が『一体何なんだろうこの人、今までどうやって生きてきたんだろう』って」
ガーゴイル:
「今まで一緒に生きてきた兄を、特に意味もなくいきなり斬り殺すからな。彼はむしろ、一般的な魔族のイメージに近いかもしれん。あそこまでの存在は魔族でもかなり低級で稀だが」
武藤:
「魔族からも駄目出しされるレベルなんですね(笑)」
皇木:
「その後魔法陣描き始めますし。『あ、この人たぶん人間じゃないぞ』って。僕の中では、本来の大野治房と黒魔術師が直前で入れ替わったんだろう、と思いました」
武藤:
「あ、池田さん(※)も言ってた、それ」
(※・実力派俳優・池田優也。前作石田三成に続き大野治房を怪演)
皇木:
「でしょうね(笑)」
ガーゴイル:
「ゾンビやゴブリンならともかく、私やデュラハンを召喚可能、さらに死者蘇生も可能ならばかなりの腕前の黒魔術師ではあるな」
皇木:
「人格は完全に破綻しているけど、腕前は一流の黒魔術師……ということですね」
ガーゴイル:
「黒魔術師は人格破綻者が多いからな。あそこまでのレベルはなかなか見ないが」
武藤:
「人格ですか?それとも腕前?」
ガーゴイル:
「どちらもだ」
皇木:
「(笑)」
武藤:
「ちなみに僕、今回出演が決まった際に、一番最初に池田さんから連絡があったんですよ、電話で」
ガーゴイル:
「ほう。前作の戦いを乗り越えた戦友ということだな」
武藤:
「カッコいい響きですね(笑)。で、お祝いとか言ってくれるのかなと思ったら…第一声で『武藤くん聞いてよ、今回も魔法陣描くんだよ、俺』って(笑)」
皇木:
「ははは(笑)。おめでとうとか、一緒に頑張ろう、じゃなくて」
武藤:
「『戦国時代なのにな』って(笑)」
ガーゴイル:
「ある意味、素晴らしい絆だな。武藤氏はどう返事したのか?」
武藤:
「『俺はヘビーマシンガンと自爆です』って(笑)」
皇木:
「あはははは(笑)」
――――――――――
――皆さんを見た限り、現場での雰囲気はかなり良さそうですが。
ガーゴイル:
「うむ。至極良好だと思う。我々魔族を見ても、最初は驚くものの、みないつの間にか普通に接してくれるからな。これは本当にありがたいことだ」
皇木:
「僕も最初は驚きました。楽屋に入ったら、ガーゴイルさんと魔界鮫さんが普通にお茶飲んでるし。『あれ?何か間違えたかな?』って。『すいません、間違えました!』って扉を閉めて」
武藤:
「『魔界の扉を開いちゃったかな』って?」
皇木:
「で、何回も確認してもう一回扉を開けたら、やっぱりお二人がお茶を飲んでいて(笑)」
ガーゴイル:
「覚えている。『たぶん間違いではないぞ』と言った記憶がある」
皇木:
「覚悟を決めましたね。『ああ、そりゃ真田さんがワケわからん現場って言うはずだよ』って」
武藤:
「前作の時点で俺も池田さんも慣れちゃったけど、そりゃ初めてはそうなるよな…って思ったよ」
皇木:
「武藤さんも池田さんも、よく普通でいられるな、と思いました。…僕も三日目で慣れましたが」
武藤:
「俺は、ガーゴイルさんたちより、皇木くんに驚いたかな」
皇木:
「え、僕ですか?」
武藤:
「そう。『あの皇木翔が一緒の現場になるなんて』って思った」
ガーゴイル:
「私もそれには驚いた。皇木氏は子役の頃から知っているが、その頃から常に人気を誇っていたし、今や日本でも有名俳優だからな。聞きつけたセイレーンやバンシーが『サインもらってきて』と言ってきたぐらいだ」
皇木:
「ああ、あのサインにはそういう意味があったんですか(笑)てっきり魔界の契約書かと(笑)」
武藤:
「俺も驚いたことがあって。皇木くんは芸歴で圧倒的な先輩だから、初日は『皇木さん、おはようございます』って言ったんですよ。そしたら『武藤さんの方が年上ですから、どうぞお気を使わないでください。敬語も必要ありません』って言われて。僕が年上とはいえたった二、三年の違いだし、社交辞令かなと思ったら、本当に礼儀正しくて。とんでもない好青年だな、と思いました」
皇木:
「イメージアップありがとうございます(笑)。やっぱり、僕は常に学ぶ態度でありたいですから」
ガーゴイル:
「これはセイレーンやバンシーから人気が出るはずだな。ちなみに武藤氏も、私の知り合いから『武藤氏のファンと伝えてくれ』と聞いているぞ」
武藤:
「えっ!嬉しいですね!どなたですか?」
ガーゴイル:
「メドゥーサだ。『サインを石にしてそばに置いておきたい』と」
武藤:
「…独特な表現ですね」
(次回は映画内容について。インタビュー後半に続く)




