「THE ACE ~Neo Interpretation Of SEKIGAHARA~」出演者インタビュー
――まず、皆さんの自己紹介をお願いいたします。
池田優也(役:石田三成):
「池田です。石田三成…一応、役は石田三成を演じました。よろしくお願いします」
武藤奏一(役:細川忠興):
「武藤です。細川忠興役です。映画に出るのは初めてでしたが…(言葉を選んで)新鮮な現場でした」
魔界鮫(役:魔界鮫):
「魔界鮫だ。よろしく。普段は魔界に住んでいる」
――魔界、ですか。
魔界鮫:
「魔界鮫だからな」
池田優也:
「失礼ながら、陸を歩いている鮫をこの目で観るのは、今回の現場が初めてでした。……あと、喋っている鮫を観るのも」
魔界鮫:
「泳ぐ気になれば陸でも泳げるぞ」
武藤奏一:
「泳げるんですか…さすが魔界の住人」
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――まず、この映画に出演が決まった時の印象を教えてください。
池田優也:
「戦国は好きですし、予算がすごいと聞いていたので。僕のギャラもキャリアの割に破格でした。出ない理由はないぞ、って」
武藤奏一:
「僕は新人ですから、逆に『なんで俺?』と思いました。監督に聞いたら『お前はいい芝居をするから』と。嬉しかったですね。観てくれている人がいるんだ、と」
池田優也:
「実際、かなり良かったよ。こんないい新人がいたのかってみんな驚いてたし」
武藤奏一:
「ありがとうございます。まあ……銃火器を使う細川忠興というのは予想してませんでしたが」
――魔界鮫さんは、『鮫のイメージアップが目的』と。
魔界鮫:
「うむ。とかく人間は鮫を恐れがちだからな。むやみに近寄るべきではないが、好んで人間を襲う種族ではない。それを人間界に伝えたかった」
武藤奏一:
「映画の影響も大きいですよね」
魔界鮫:
「火付け役となった『ジョーズ』は不朽の名作だが、それゆえ鮫のイメージも固まってしまった。公開後は鮫が乱獲されてしまったしな。映画という同じジャンルで、そこの払拭に少しでもつながれば、と思ったのだ」
池田優也:
「映画はけっこうご覧になるんですか?」
魔界鮫:
「うむ、まあガーゴイルほどではないが。あいつは無声映画の頃から観続けて、それなりの映画哲学を持っている。撮影現場でもよく話をしたものだ」
――鮫のイメージ払拭は叶いそうですか?
魔界鮫:
「……ノーコメントだ」
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――台本を読んだ時の、皆さんの印象はどうでしたか?
池田優也:
「……」
武藤奏一:
「……」
魔界鮫:
「かなり独特だな、と思った」
――まず、開始直後秀吉が爆死します。
武藤奏一:
「なんでだろう、と思いました」
池田優也:
「そこまではまあ、『大胆な歴史フィクションかな』と思いました」
――次に、常に怒っている家康が天下取りに臨みます。
池田優也:
「そこもまあ…忍耐の人とはいえ、天下を前にしてしまって激情が昂ったのかな、と」
武藤奏一:
「真田さん(注:ベテラン俳優・真田義雄。徳川家康役)、めっちゃ怒鳴ってましたね。お茶がぬるい!って床をバンバン叩いたり。柱にパンチしてたり。大変だなと思いました」
――次に、石田三成が『天下を取るのは俺だ!魔界に引きずり込んでやる!』。
池田優也:
「その時点で諦めました。そのあと配下の蒲生郷舎を斬って、魔法陣描いてますしね。石田三成の要素が名前しかないな……と。しかもそのせいで西軍武将みんな逃げ出してるし」
武藤奏一:
「でもまあ、それはそうですよ。僕が島左近でも大谷吉継でも逃げると思います。蒲生が無意味に斬られてるし」
池田優也:
「もう、関ヶ原に突然現れた石田三成という名の黒魔術師だと思って演じました」
魔界鮫:
「本来の石田三成は黒魔術師ではないのだな」
池田優也:
「もちろんです。というか、戦国時代にガーゴイルやサイクロプスを呼び出せる黒魔術師はいないと思います」
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――武藤さんは、細川忠興役の出演です。気を付けたことはありますか?
武藤奏一:
「銃火器の小道具の取り扱いですね。これ、壊したらとんでもないことになるな、と。すごく本格的に作ってましたので」
池田優也:
「細川忠興なのに、気を付けるのは銃火器の取り扱いなんだ(笑)」
武藤奏一:
「まあ、ヘビーマシンガンとかロケットランチャーとか、ゲームとかでは使う武将もいたりするので。池田さんよりはマシかな、と(笑)」
――魔界鮫さんは、関ヶ原の北軍として参加します。
魔界鮫:
「うむ」
池田優也:
「すいません、そこで一つ」
魔界鮫:
「なんだ?」
池田優也:
「……北軍ってなんですか?」
――南軍もいます。
武藤奏一:
「いましたね。ムー大陸の魚集団。…なんだったんでしょうね」
魔界鮫:
「魚の群れで魔物や鮫の集団に挑むのは、はっきり言って自殺行為だな」
池田優也:
「それはそうですが、関ヶ原で急に現れる北軍とか南軍ってなんだったんだろう、と思って」
武藤奏一:
「僕も思って監督に聞いたんですよ」
池田優也:
「そしたら?」
武藤奏一:
「『たまたま同じ機会に出てきたんだろう』って」
池田優也:
「…いや……それは……う~ん」
魔界鮫:
「私も、この世界に生命体を滅ぼす存在がいるのなら、『関ヶ原に重要な政治家が揃ったところを殲滅すれば陸の生物の統率は崩れるだろう』と思って演じたな」
池田優也:
「う~ん……理屈は通ってるかもしれない。でも、なんでムー大陸が…」
魔界鮫:
「考えるだけ無駄だと思うぞ」
武藤奏一:
「石田三成が黒魔術を使う世界ですから」
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――皆さんがもっとも印象に残っているシーンは?
池田優也:
「小早川秀秋がUFOにさらわれるところ」
武藤奏一:
「僕もです。最初台本読んだ時、誤植かな?と。でも、飯野くん(注:新人役者・飯野淳。小早川秀秋役)が用意してるところを見て『あ、やっぱり本当なんだ』と思いました」
池田優也:
「飯野くん、何か言ってた?」
武藤奏一:
「『裏切る苦悩とかどうやって演じようか考えてたのになあ』と」
池田優也:
「裏切りもなにもないよね。UFOにさらわれるんだもん」
武藤奏一:
「というかかなり最初の方で西軍武将全員裏切ってますからね、三成を」
――魔界鮫さんは、最後の監督との宇宙バトルとのことですね。
魔界鮫:
「うむ。霧の中から現れた不知火慎太郎監督が、両軍大将を殴った後、私と戦う場面だな」
池田優也:
「監督がいい所を持っていく……いや、いい所なのかな?まあとにかくフィナーレですね」
武藤奏一:
「監督がデウス・エクス・マキナそのものですが、もうこの映画ではいまさらという気もします」
――魔界鮫さんは『NEO SEKIGAHARA 魔界鮫』へと変貌を遂げます。
魔界鮫:
「なんだこの名前は、と思った」
池田優也:
「あ、やっぱりそうですか」
魔界鮫:
「その後、宇宙で決着をつける、という場面だな。私としては久しぶりの宇宙だし、もっと頑張りたかったのだが…勝負は短時間で終わってしまった」
池田優也:
「……宇宙にはたまに行かれるんですか?」
魔界鮫:
「ここ数百年はないな。あまり行く理由もないし。まあガーゴイルあたりは頻繁に行っているらしいが」
武藤奏一:
「我々でいう海外旅行と似てますね」
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――そして家康と三成が不知火慎太郎に跪きますが、不知火慎太郎はUFOに乗ってどこかへ去ります。
池田優也:
「思ってたんだけど…あれ俺っていうか三成が呼び出したUFOだよね」
武藤奏一:
「そうですね、そういえば」
池田優也:
「なんで勝手に乗っていってるんだろうと思ってた」
魔界鮫:
「私も聞きたいことがあった。なぜ最後の三成はラテン語なのだ?あれは新約聖書の一節だな」
池田優也:
「ああ。台本は普通に日本語で違う台詞だったんですよ。私のアドリブです」
魔界鮫:
「ほう」
池田優也:
「三成って悪魔信者の黒魔術師じゃないですか、少なくともこの映画の中では。最後の決着で彼の中の悪魔信仰心が消え去り、浄化されたっていう解釈で」
武藤奏一:
「おお、なるほど。最後に『石田三成』を取り戻した、と」
池田優也:
「まあ三成はキリシタンじゃないけど、ある程度政策面を鑑みて。キリシタン大名とかと友好関係はあったとも思うし、西軍の小西行長とかと仲良かっただろうし。そんなことを監督に言ったらOKだった。まあ、ちょっとふざけて言った気持ちもあるけどね(笑)」
魔界鮫:
「だがその小西行長はかなり序盤で三成を裏切るな」
池田優也:
「そりゃまあ裏切りますよね、当然です」
武藤奏一:
「あと、なんのかんの戦後その場で処刑されますね、三成」
池田優也:
「そりゃ処刑した方がいいよ、絶対危ないし。俺が家康でもそうする」
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――最後に、この映画について一言お願いします。
池田優也:
「全員戦国武将とは同姓同名の別人の、ど派手なアクション映画です。とんでもない予算がつぎ込まれただけあって映像はホントにすごいです。頭空っぽにして見てください」
武藤奏一:
「同じく、迫力のある映像を是非見てください。あと、魔界鮫さんとかガーゴイルさんは本物です。現場で僕も驚きました。それだけで価値があります」
魔界鮫:
「鮫は基本的に好んで人は襲わない。むやみに近寄るのは避けるべきだが、必要以上の恐怖を抱く必要はない。我々も人類とは共存を望んでいる」
――ありがとうございました。
――いかがだったであろうか。
現在は大御所となった池田優也氏や、今やTV等で見ない日はない武藤奏一氏、さらには今でも『あれは本当に本物だったのか』と噂される魔界鮫氏のインタビューを回顧させていただいた。
なお先日、別の取材で武藤氏に会った際にこの話をしたところ『懐かしいですね。ははは』と笑顔で応えていた。
不知火映画出演を黒歴史にしている役者も多い中、武藤氏は当時の思い出を楽しそうに語っていた。
まあ内容については『不知火100%ですね』と言っていたが。
さて、次回はこの『THE ACE ~Neo Interpretation Of SEKIGAHARA~』の家庭用DVDについて、当時の記録を回顧させていただこう。(ライター・山田山田夫)




