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七センチの隙間を越えて  作者: 琵琶こと
6/8

第五部「零日、旅立ちの日」

 十一月一日(日)

 

 改札を抜けると風が肌に触れた。午後だからか光が温かい。

 空気が違う。病院とは違う、外の空気。自由な空気。

「よし、改札口から外へ」

『了解です。アヤトさん、少し緊張されていますね』

「まあね。半年ぶりだから」

 ニアに乗って外へ出た。久しぶりの外出。人の多さ、音の多さ、匂いの多さ。目も耳も鼻も、一斉に叩かれているようで、足元がぐらつく。

 待ち合わせ場所でスマホを見ると、凛からメッセージが届いていた。

「ごめん。事故で電車が遅れている」

 すぐに〝ドンマイ〟のスタンプを押した。仕方がない、待つだけだ。

 駅前の広場をぼんやり見渡す。噴水がある。ベンチに座っているカップル。走り回る子ども。

 日常の風景のはずなのに、特別に映る。


 さっきまでベンチにいたカップルも、走り回っていた子どもも、いつの間にかいない。噴水だけが、同じ音を立て続けている。

『アヤトさん、対象者を乗せた列車、まもなく到着します』

「え! どうやって知ったの!?」

『駅の無線と周辺センサーから受信しました。伊達に高級車並みの価格じゃありません』

「それ、自分で言う?」

 こわばっていた口元が、ふっとゆるんだ。

 ほんの数分後、駅の構内から小さなざわめきが聞こえた。

「ねえ、あの人見て」

「脚に装具つけてる。しかも、めっちゃイケメン」

 目を向ける。黒髪をひとつに束ねた凛は、慌てず、確かな足取りで歩いている。

 長身、整った顔立ち、堂々とした歩き方。装具ごと自分のものにしている足取りで、隠そうとする気配はどこにもない。

 こっちに気づいた凛はパッと表情を変え、小さく手を上げた。その笑顔が太陽みたいに眩しい。

 同じように手を振り返した。鼓動が耳に響くほど速くなる。

「すごいよ凛、本当に歩けている!」

「へへ、驚いた? お互い頑張ったね。それより、遅れてごめん!」

「気にしないで、早く着いただけだから。久しぶりの外泊だから興奮しちゃって」

 一時間前からここにいたなんて、言えるわけがない。

「俺もさ。彩人、リハビリお疲れ様」

 ひどい言葉をぶつけたあの日がなかったように、凛は親しみのこもった笑顔を見せてくれる。

「お! ニアっち。待たせてごめん。元気していた?」

『元オーナー、こんにちは。〝元気〟という概念は搭載されていませんが、不具合もなく快適に稼働しています』

 凛が肩をくっくっと震わす。おかしそうに笑うと、周囲から視線がちらちらと集まりはじめた。

 だからなんだと、背筋を伸ばした。自分の力で、ここに来たのだから。

「彩人、今日の服、すごく似合っている」

 先に褒められて、一気に耳たぶまで熱くなった。思わず視線をそらす。母に選んでもらった服。少し派手かなと思ったけど、凛が褒めてくれた。

「え、ありがと。凛も、モデルさんみたい」

「そうか?」

 髪をかきあげ、凛は、まんざら悪くもなさそうな顔をする。

 ドキドキしていると、ニアが水を差す。

『アヤトさん。ワタシも〝ヨイショ〟してください』

「はいはい。ニアも綺麗なフレームだね」

『よく言われますが、それほどでもありません』

 素直に喜ぶニアの会話を凛が、からからと笑う。なんかいい感じだ。三人で旅行に来たみたい。

「じゃ、行こう。ニアっち、彩人をよろしく」

『自律走行モード、開始。周囲の歩行者密度から最適経路を算出します』


 しばらく進むと、風が頬を刺し始めた。秋の風。もうすぐ冬だ。

「ちょっと寒くなってきたね」

『外気温低下のため、ヒートシーターを作動させます』

 背中がじわじわ温かい。技術の進歩は、すごい。

『おしゃれ優先による判断ミスは記録しました』

「ニア、さっきから一言多い。旅館に着くまで黙ってて」

 強めの口調で禁止を伝える。

『了解です』

 少し言いすぎたかな。左胸がちくりと痛む。ニアには、いつも助けられているのに。

「ほらほら、ケンカしない。俺のも貸すよ」

 凛はリュックからブランケットを取り出し、膝にかけてくれた。柔らかい。凛の匂いがする。

「ありがとう……凛。ほんと言うと寒かった。ごめんニア。きみの言う通り、自分のミスを棚に上げて」

 ニアは何も言わず、ライトを一回点滅させた。

「やっぱり、彩人の素直なところ、すごいなって思う」

「そうかな」

 苦笑した。言わずにいられなかっただけだから。それよりも凛の気配りがヒートシーターよりもずっと温かい。

 そっと凛を見上げる。白い肌。長いまつげ。リンゴみたいな唇。秋の光が横顔を照らしていた。

 胸の芯が、じわりと疼いた。

 できるなら――自分だけのものにしたい。

「どうしたの彩人、顔赤いけど平気?」

 急に凛の顔が近づく。近い。近すぎる。

「ヒ……ヒートシーターのせいだよ」

 背もたれに身体を預けた。心臓がいつでも全力で駆け出そうと準備をしているようだ。

 気を取り直してしばらく進むと、和風旅館の屋根が見えた。それと同時に、ニアがほんの少し速度を落とす。凛の足取りに合わせるように。

 ――本当に優しいAIだ。

 

 

「着いたよ。ここが泊まる旅館」

 目の前に現れた建物を見て、言葉を失った。

 伝統的な日本家屋。格子戸に丸い瓦屋根、控えめなたたずまい。玄関脇には、AI搭載のチェックイン端末が静かに光を放っている。和と最先端が違和感なく融合していた。

「うわあ」

 段差という段差が見当たらない。スロープが自然に配置され、床は平ら。車椅子のことを考えて設計されている。

「凛の両親、倫理観はない人だけど、やっていることはすごいね」

 少し間を置いて、凛は肩を揺らして、せき込むほど笑った。

「ごめん。本音が出た」

 顔を赤くして謝った。

「ははは、ああおかしい。彩人の忖度(そんたく)しないところ、いいね」

 お互いが下手に出て気遣うことがない二人は、目を合わせて、もう一度笑い合った。自然と口元がゆるむ。

 チェックインを済ませ、玄関を抜ける。静寂そのものの廊下が続く。畳と木の匂いが鼻をくすぐる。

「恥ずかしいから、父に連絡して、今日は部屋の記録をオフにしてもらってくる。そのまま待っていて」

 装具とは思えない足取りで、ロビーの奥へ進む凛。その背中は、すぐに見えなくなった。

『参りました。沈黙しばりつらかったです』

 沈黙を乗り越えたかのようなニアのつぶやき。そういえば、もう旅館に着いている。

『どうでした、久しぶりの〝推しとの再会〟? 心拍数、今朝の三倍でしたよ』

「ちょっとニア! 誰かに聞かれたら」

 周りを見るが、誰もいない。静かな旅館。二人だけの空間。

『大丈夫です。誰かが近づいたら〝真面目AI〟モードに自動復帰します』

「ここにスタッフはいないの?」

『離れの建物に常時、人がいます。基本、呼び出しがあるまでは来ません』

 ほっとする。今日は、凛と二人きりでいたかった。

 プライベートな時間。特別な時間。

「彩人、こっちに来て」

 凛が奥から声を上げた。ニアが静かに動き出す。

「さあ、まずは彩人からこの部屋に入って」

 促されるまま進むと、木造のドアが左右に自動で開いた。

 広い空間にキングサイズのベッドが一台。車椅子用のテーブル。窓側にサンルーム。どのドアも車椅子が楽に通れる幅だ。

 とにかく余計なものは何一つない。シンプルで洗練されている。

 テーブルの上に、小さな一輪挿し。秋の野花が、まだ茎の切り口に水滴をつけていた。誰かが、つい先ほど活けたのだろう。

 後ろから声がした。

「何もないと思ったろ? 実はこの部屋には、介護もいらず、一人でも入れる露天風呂があるんだぜ」

「露天風呂を一人で!?」

 思わず声が出た。入院してから、ずっとシャワーだけだった。もう一度湯船に浸かりたかった。

「さらに!」

 凛は窓際のサンルームを指す。外には真っ青な海が見える。水平線が、遠くまで続いている。

「この部屋は花火が見える特別室だ!」

「ええー!?」

 口を閉じるのを忘れていた。

「海岸まで行くんだと思っていた」

「小さい花火大会だけど、砂浜は俺たちには少し厳しいよな」

 言われてみれば、確かにそうだ。人混みの中を、二人で進むのは容易ではない。車椅子で砂浜は、ほぼ不可能だ。

 姿勢をただして、凛に頭を下げた。

「ありがとう。こんなに贅沢させてもらって。何か出来ることがあったら言って」

「何言っているの。ちゃんとレポート書いてくれたらいいって」

「それでも、嬉しいんだ」

 この部屋、この景色、この時間。すべてが、夢のようだ。

「ばかだな。そういうところだけ、真面目なんだから」

「そういうところ〝だけ〟だって」

「うそうそ、ごめんって」

 すがすがしく笑って逃げながら凛は話を続ける。

「あと、もし、いびきや歯軋り、寝言に寝相がひどかったら隣の部屋も空いてるから」

 一人のために――夢のような時間。もう一度、部屋を見渡す。

 ここにいる自分は、手間のかかる客じゃない。

 特別扱いされる患者じゃない。

 ただの、旅行客。

 そう思えるだけで、視界がにじんだ。

 

 

 お昼ご飯を食べ、のんびりしていた。美味しい食事、海の幸に地元の味。

「花火まで時間あるから、彩人の小説をDPで体験しようか」

 凛が前置きもなく、突拍子もないことを言い出したが、お詫びだから仕方ない。

 手を震わせながら、貴重品ボックスを取り上げ手渡した。

 小さくて、軽い。この中には、口で伝えたい思いが入っている。自分の気持ち。隠してきた気持ち。

 クレイドルの間には机と、リハビリで見た黒いスーツケースほどの装置。凛はメモ帳一式をサイドテーブルに置き、USBをコネクタに差し込んだ。

 本体の大きさに比べて小さな読み込み音がしている。

「リハビリの時とほとんど一緒だよ。ただ、全自動じゃないってところだけ」

「DPって医療免許とかいるんじゃないの?」

「いるよ、でも映画など鑑賞用のはいらない。風邪薬でも医師の処方箋がなくても購入できるものがあるだろ? 医療用と違い、脳へのリスクが低いから問題ないんだよ。さあ、クレイドルに座って」

「なるほど、だから病院とはクレイドルの形が違うのか」

 車椅子からゆっくり乗り換えをしながら凛に問う。

「ねえ、凛。クレイドルってゆりかごって意味なんでしょ。なんでそんな名前に?」

「ゆりかごは、赤子が乗るもの。つまり再学習・再誕という意味だよ」

「なるほど、そうなんだ」

 生まれ変わる――新しい自分になる。

「もう一度簡単に言うと、DPは脳に〝動いたと処理した経験〟を学習させる機械」

 凛は丁寧に説明する。

「病院のはリハビリ用に開発されたんだけど、こっちは〝VRより深く、夢より自由に〟をテーマに将来的に映画や小説の世界にも入れるようエンターテイメント用に設計してあるのさ」

「リハビリで使用しているのとは違うのか。少し怖いかも……」

 声が、いつもより小さくなる。凛が即答した。真剣な顔で。

「何も変わらない……けど、変えたければ、そこでは変えられる」

 握りしめていた手がゆるんだ。変えられる。自分を、変えられる。

 配線の準備も終わり、二人はクレイドルに横たわる。

「そうそう、言い忘れてた。リハビリの時のような単純な風景でなくなるため、小説内の仮想空間に入る間、ニアのメインサーバーを借りることになる」

 凛は、配線を確認しながら話す。

「その反動でニアは最低半日は、話せなくなる。その後の移動はレバーによる手動運転になるからね」

 ニアの側面に撫でるように手を添えた。冷たい金属なのに、初めて触れた時のように温かく感じる。

「ニア、しばらく休んでていいからね」

 小さく『ピッ』。ライトが一回点滅する。ニアが返事を投げ返す。

『アヤトさん、正念場です。ファイト』

 凛が手を組んで伸びをする。

「ニアっち、システム起動お願い」

『了解です。データ解析後、二分以内に転送を開始します』

 光が強くなる。やがて、視界が白く染まっていった。

 

 

 ゆっくりと目を開く。

 よく知っている町並みが目の前に広がっている。風が肌に触れた。空気の温度を感じる。木々のざわめき。遠くの車の音。すべてが現実と同じ。いや、現実以上にリアル。

 手を見下ろす。細く骨ばった少年の手。これがエンタメのDP。

 指を動かす。ゆっくりだが少し動く。足裏にも固いアスファルトの感触がある。ただ、少し鈍い。

 これが病院用との差なんだろう。それでも動かない足の感覚がする。思わず息を止めた。

「慌てない。リラックスして彩人」

 穏やかな少年の声。振り向くと凛。いや、イメージした〝凛央〟が立っている。

「うまくダイブできたみたいね」

 凛央が、さらりと言う。

「凛なの?」

「うん。彩人も姿、変わっているよ」

 自分の顔を触る。いつもと違う。手も大きい。自分も既に叶人になっていた。

「さあ、始めよう! ニアっち、観賞用モード起動」

 また視界が白くかすむ。足元が浮き、重力が遠のく。

 霧のような空間がほどけ、色が差し、輪郭が現れはじめた。黒い道。両脇の屋台。提灯の揺れ。目の前に早送りのように町が建っていく。書いた世界が広がる。

 祭りの通り。人物の配置。光の角度。空気のざわめき。すべてが文章で書いた通りに、そこにある。

「すごっ!」

 声が漏れた。目に熱いきらめきが入る。

 屋台の焼きそばがジュウッと音を立てた。ソースの匂い。綿菓子の機械がくるくる回る。甘い匂い。子どもたちが金魚すくいに夢中。水の音。カップルが手をつないで笑う。幸せそうな笑い声。

 身体はうまく動かないが、かわりに魔法のような新たな感覚。胸がはちきれそうになる。

 ふいに、夜空に一発の花火が咲いた。

 そうだ、行かないと――。

 気づいたとき、叶人になった身体が動いていた。にぎわいを背に図書館へ。誰よりも会いたい人に。

 頭の中に――声が流れ始めた。

 ナレーション。

 まるで、主観で観る映画のような、不思議な感覚。

 視界の中央に、文字が浮かび上がる。

 『偽物から花火へ』

 金色の文字のタイトルロゴが、ゆっくりと消えていく。

 

 

 夏の夜空に、花火が咲き始めた頃。道路の両端に並ぶ屋台。浴衣姿の家族や友人たち。手をつなぐ恋人たち。

 その横を――叶人はただ一人、花火大会とは逆の方向へ駆けていく。

 図書館前。そこに、凛央がいた。周りには誰もいない。一人で夜空を見上げている。

「凛央」

「叶人、来てくれたんだな」

 叶人は隣のベンチに座る。七センチの隙間を空けて。

 彼はわかっていた。凛央は亡くなった幼なじみ、華を想ってここにいることを。

 出会った時から凛央が好きだった叶人。ずっと、言えなかった気持ちを抱えている。

 華、凛央、そして叶人は幼なじみ。いつも三人で一緒だった。華は、誰からも好かれていた。

 六歳のとき。凛央は華のためにシロツメクサで花冠を作った。照れ隠しに、叶人の分も作ってくれた。

 ――でも。

 叶人は、あとでこっそり花冠の花を減らした。華より少なく。凛央と叶人の花冠だけが、同じ数になるように。

 ――ずるいよな、僕は。

 中学卒業間近。華が病気で入院。

「今年の花火大会で、なんでも奢ってやるから、元気出せ。図書館前、待ち合わせな」

 それが、最後の約束だった。

 ――叶人は花冠をもらったあの日から、凛央を少しずつ意識しはじめて。いつの間にか、好きになっていた。

 凛央は親友の華を気にしていると思って、優しく励ましてくれる。こんなにも優しい人を叶人は騙している。

「叶人、ありがとうな。ここに来てくれて」

 凛央が言う。叶人は服の裾を強く握りしめる。

 ずるい人間だとは自覚していた。これからも、自分の気持ちに気づかないふりをして、ただの親友を演じ続けようとしている。

 それは叶わない恋。人とは違う恋だとわかってる。本音を言えば、終わってしまう。だから言わない。

 でも、もし、花火に想いをはせている人たちのように、花火に願いを叶える力があるならば。

 叶人は願う。凛央の〝そば〟に、ずっといられますように。

 叶人は願う。何度でも演じます。この痛みにも、耐えてみせます。

 叶人は願う。どうか。この先も〝ニセモノ〟でいられますように、と――。

 視界が、白くかすむ。

 叶人の姿が、薄れていく。

 凛央の姿も、消えていく。

 花火の音が、遠ざかる。

 右下に、文字が浮かぶ。

『END』

 

 

 DPの中で目を開けた。身体がわずかに震えている。隣を見ると、凛の肩がわずかに震えていた。

「たった数分であんな映画みたいな映像ができるなんて――」

 声が上ずる。凛も、無言で頷いている。

 叶人が凛央に伝えられなかった言葉たち。あれは、本音。〝彼〟は、自分自身だった。

 凛はどう感じたんだろう。目を手元に落とす。

 あの世界は〝仮想〟だった。けれど、〝真実〟だった。

 性別も、姿も、現実さえも飛び越えた場所に、〝本当の自分〟が立っていた。

 凛が起き上がる。僕も身体を起こし、ニアに手をかけた。

 拳をぎゅっと握る。きっと大丈夫だと、力を込めて。

 小説の中では願った。〝このままニセモノでいられますように〟って。

 でも今は、ほんの少しだけ、〝ホンモノ〟に近づきたい。

 小説の批評に身構えていたが、凛の第一声は予想とは違った。

「喉が渇いたね、ちょっと飲みに行こうか」

 何も言わず、並んで進んだ。談話室に着く。車椅子用のテーブル。見たこともない長いソファー。観葉植物。高そうな絵画。誰もいない、静かな空間に車椅子と装具の音だけが響く。

 凛がカップに柚子茶を注ぐ。爽やかで、少し甘い香りが広がった。

「ここの柚子茶、名物らしいよ。飲もう」

 車椅子を寄せて向かい合い、カップに口をつけた。温かい陶器の感触が、まだかすかに震える指先から、現実を取り戻させていく。乾いた喉を、柚子茶がじんわりと染み込んでいく。

 もう夕暮れが近い。窓の外の空が、オレンジ色に染まり始めている。

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