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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第10章 父と子
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第99話 トオガタユウキ

 ここは何処だろう……


 さっきまで僕は確か……


 ダメだ 思い出せない……


 あそこにいるのは……龍? いや、ドラゴン?

 それに引けを取らない大きさの鳥もいる……

 あの山は何だろう? 

 この霧はなんだ? さっきから生き物の様に動いているような?




 「さあ、着きました。ここが今回の現場です」

カラスマ君の声で僕は目が覚めた。どうやら車内でウトウトと眠っていた様だ。


「ごめんカラスマ君、運転させているのに寝ちゃっていたよ」

「いいよ、俺の仕事は皆のサポートだから! 先ずはここの区画長の方と調査している自衛隊や警官の方にご挨拶に行きましょう。えーっとここからはハイノメさんとユズキさんに案内してもらいますね」

「はーい、確かここの区画長さんの名前はジンエイさんだったわよね」

「ええ、そうです。息子さんのお名前がマコトさん、仲のいい親子が居る筈です」

ミナさんとハイノメはお互いに、前回来た時の事を思い出しながら目的の場所に向かった。


 しばらく歩いていると向こうから出迎えてくれた。

「お待ちしておりました。世界樹対策課の方々」

「お久しぶりです。えーっと……」

「ははは、前回は顔を出したぐらいでしたからね! もう一度今度は自分から! 私はこの区画の自衛官トオガタです」


ああ、あの人か! みたいな顔をする2人……失礼だぞ!


「まあ、地味な顔ですし、そもそも前は一言もしゃべってませんでしたからね。あのお2人がいい意味で目立ってますから。私は彼らの影に隠れている存在なので……」

こういうのには慣れている様だった。まあ、確かにこれと言って特徴のない人だ。


「あの~ジンエイさん親子は? 一番に迎えに来そうな人なのに……」」

ハイノメがトオガタさんに問いかけた。

「あの親子は今回の事件の捜査と、住民の皆さんの対応に追われています。死者が出てしまったのです。無理もありません。」


トオガタさんは悲しい表情を浮かべて返答した。その後、僕達対策課御一行を区画長の元まで案内してくれた。その道中、簡単に事件の内容を簡単に聞いた。


 今回の事件の被害者は男性、残念ながら遺体は全く残っていないらしい……。遺体から出た血痕しか現場になかったようだ。現場の最初の目撃者はバリバリと嫌な音が聞こえたため、恐る恐る見に行ったらしい……。運がよかったのか現場に着いた頃には、ゼノはどこかに行っていた様だ。


「ここ最近、近辺で世界樹の根は出現したりしましたか?」

ハイノメがトオガタさんに質問する

「いえ、近辺では出てきてないですね」

「なら、遠くから来たということになるけど……、エイジ君、この区画の近くに世界樹の根の出現、あとゼノの目撃情報は?」


ハイノメの問いにカラスマ君はすでに調べていたのか即答した。どうやらそのような情報はなかった様だ。すっごく小さな根から生まれた個体なのか、あるいは見つかりにくい場所に生えているのか? 


 どちらにせよ近辺を隈無く探さないと!

 

「わかってない事だらけだけど、次の犠牲者が出る前に見つけないと、取り急ぎまず、区画長に顔を出しに行きましょう」



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