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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第9章 新たなる仲間
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第95話 ダメ男

 「さあさあ、次の子いくわよ! レオンちゃん!」

「ええ!? ぼ、僕ですか……」

B班の人たちの中で、一歩後ろに下がった場所の気弱そうな少年が、ヒカルさんの指名にあまり乗り気じゃない態度で返事を返した。

「あ、あの…… ヤタレオン と言います。以上です」

終わってしまった。


「ちょっと、レオンちゃんったら!」

「まあまあ、こいつはシャイなんで! 次、自分いいっすかね」


ヤタレオン君の紹介は名前だけで終わってしまった。

そのまま隣の男が次の自己紹介をする様だ。自分から進んでいくとは……。結構ガツガツ行くタイプなのかな?

「自分の名は キラコウキ そこにいるキラヨシツグの弟です」

「!!!」

僕達3人は飛び出た目玉が戻らなかった。

「キ、キラさん弟さんいらっしゃったんですか?!」

「あれ、言ってませんでしたっけ?」

「初耳よ! しかも能力者だったなんて!」

「いや~ザブって言うんでしたっけ? 最近になって能力者になったんで。ホント助かりましたよ、自分借金あったんで! 今回リセットされたじゃないですか! 多分ですけど……。んで、今回運よくこの対策課に入れたんでラッキーすよ。やっぱり持つべきものは人脈っすね。今回も兄さんのおかげで何とかなりそうっス。優しい兄を持って嬉しいですよ」

「いや、死んでもいい奴探していたら丁度お前がいたから……」

「いやいやいや、兄さん怖いこと言わないで……」

キラさんの目は冗談を言っている様には見えなかった。彼の雰囲気と自己紹介で何となくわかった。


 ダメ男だ……


典型的なダメ男、無駄にポジティブなのがその証だ。

「コ、コウキ君は何で借金作っちゃったの?」

ここでミナさんが切り出してきた。僕達が知りたい情報を!

「まあ、ギャンブルです」

ドン! という、どこかで聞いたことのある効果音が聞こえたような気がした。勿論、胸を張って言うセリフではない。ここにいる女性陣はドン引きしている。男性陣は苦笑いしている。

「まあ、わかったでしょう。このカイジにいそうなギャンブル依存症の男が私の弟です」

「依存はしていない!」

「んなわけあるか! 借金作っている段階でアウトだわ。ほら、特技……じゃないや自分の能力皆さんに教えなさい……」

「ジョジョ第五部でギャングたちがスタンド能力は、極力教えないようにしていたけど……」

「ここイタリアじゃないから、ここ日本だから、そもそもギャングじゃないから」

「でもな~これ教えちゃうのな~」

「いいから能力だしなさい! どうせバレるんだから。というか自分の能力の詳細について対策課には提出済みだろ」


ニヤケながら能力を出し惜しみするコウキに対して、徐々に苛立つキラさんは見ていて新鮮だった。それから5分ぐらいこのようなやり取りをしたした後、やれやれとしながら弟は能力をお披露目した。


「これが自分の能力っす」

彼は1枚のトランプカードを出した。するとそのカードはたちまち黒い砂になり、跡形もなく消え去ってしまった。


「どうですか、これが自分の能力ですよ。凄くないですか!? まあ、砂に変えた物は時間が経ったら元のモノに戻るんですけどね! つまり、完璧なイカサマが出来るんですよ! もうこれで借金も大丈夫、ねぇ兄さん!」

「皆様、このろくでもない弟をよろしくお願いいたします」

キラさんはこの場にいる皆に深く頭を下げた。


 なんか、キラ家の闇の部分が垣間見えた気がした。

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