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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
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第80話 二対一

 「普通の人間なら圧死しているはずなんだけど……」

ほぼ無傷で現れたミナさんを見て、流石のキャットウォークも同様を御隠し切れなかった様だ。

「ミナ! まだいける?」

「全然大丈夫ですよ~」


 これで2対1、ハイノメとあの男がほぼ互角、そこに今のミナさんが加われば!


僕は完全に勝利を確信した。ハイノメに救出したツルギちゃんを、この戦場から遠ざけるため、一度この子を安全な所まで運ぶことを伝えた。

「直ぐに戻ってくるから!」

「そんな心配しなくても大丈夫よ、帰ってきた頃には害獣駆除は終わっていると思うよ」

ハイノメは強気に僕にそう言い残した。



 ツルギちゃんを抱えて部屋を後にした僕はカンダさんと合流した。彼女は女将さんの応急処置をし始めていた所だった。

「カンダさん! この子もここにお願いします!」

「トガさん! 娘さんも救出出来たのですね! 怪我の方は大丈夫そうですか?」

「怪我とかはなさそうだけど……かなり弱っている。僕はハイノメ達の所に戻ります。まだ、ねずみ男が残っているので」

「わかりました。お気をつけて……」

僕は彼女にツルギちゃんを預けた後、急いで先程の戦場へと戻った。



 戦場に戻るとハイノメ達は優勢だった。相手は防戦一方で、かなりあっせている様子。

「クソッ、おい! おっさん起きろ、このままじゃやられっちまう!」

「うう、私は一体……」

僕が吹っ飛ばした男が目覚めてしまった様だ。男は大量のネズミたちに運ばれて、キャットウォークの近くまで来ていた。何か策でもあるのか、それとも……

「ちょっと、まさか逃げる気!」

いち早く気が付いたのはハイノメだった。

「このまま戦ってもジリ貧だしね! さあ、移動しますよ。ゲンドウさん、ここは引きましょう……」

「わ、分かりました。ちょっと待っててください」

ゲンドウはそう言うと、何か緑色のガス? いや、靄の様なモノを生み出した。


 まさか、それで逃げるのか? あの男の能力って!


「じゃあ、さようなら。綺麗なお姉さん方、また会いましょう……」


 やっぱり、ゲンドウの能力はワープ、移動能力か……

 

 キャットウォークがいい能力と言うわけだ。

 こんな便利な能力者、手放す訳にはいかないもんな。



「ぎゃあああああ」

いきなり悲鳴が響き渡った。

その声の発生源はキャットだった。何故かはわからないが、緑の靄からゼノが現れて、キャットの肩に嚙みついたからだ。

「おい、一体どこに繋いだんだよ!」

「す、すいません。本部に繫がったはずなんですけど……、部屋間違えたのかもしれません……」

どうやらゲンドウは、能力を上手く扱えないらしく、目的の場所からズレてしまったらしい。しかも、運悪くゼノのいた場所……、化け物たちはこちらの部屋に入ってきた。

「ちょっと、この量おかしいでしょ!」

「アハハ! おもちゃが一杯来たわ!♡」

形や姿は様々、犬の様な奴もいればサルの様な姿をした奴もいる。


「まさか、今回の静岡のゼノの死骸事件アンタたちのせいね! 何が目的なの?」

ハイノメはキャットウォークに質問を投げた。しかし、返答は帰ってこなかった。肩を食いちぎられて、それどころではないからだ。



 

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