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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
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第79話 数か質量か

 「お、おーい。キャットさん? 私はどうすれば……」

蚊帳の外にいたカメヤゲンドウが、キャットウォークに指示を仰いだ。

「ゲンドウさんは娘さんと一緒に、この場から離れてください。戦闘の邪魔です。そして絶対に、この者たちに捕まらないでください。」

ゲンドウは少し悔しそうな表情を浮かべた後、倒れている娘の方に向かった。

「いや、助けて……」

「おい、大人しくしなさい! ツルギも絶対に入ってよかったと思えるから!」


男は嫌がる彼女の腕を掴んだ。なにか考え事でもし始めたのか、目を瞑りながらブツブツと、念仏か何かを唱え始めている。


「マズいわ! ショウ、ねずみ男は私が取り押さえておくから、ショウは彼女を!」

「ええ、僕が!?」

「そうよ、多分私の方がねずみ男と相性がいいと思うし」

「いや、だからって……あの子男性恐怖症じゃ……」

「いいから行く! 緊急事態なんだから!」

「わかったよ。あとのケアよろしくな!」

そう言い放った後、僕はカメヤゲンドウに無防備でツッコんでいった。


「う、うわああああ キャットさん! 何とかしてください」

男は慌てふためいてねずみ男に助けを求めた。どうやら直ぐに発動しないのか、それともまだ上手く能力を扱えないのか、いずれにせよこれはチャンスだと思った僕は、何も考えずに男にタックルするつもりで突進していった。

「落ち着いてください! あなたなら行ける!」

キャットウォークは根性論でゲンドウを励ました。


 「おら!」  バキッ!!

根性じゃどうにもならないこともある。男が能力を発動させる前に、僕の拳が男の頬を打ち砕いた。男は綺麗に吹っ飛んでいった。


 そういえば、僕の腕解除するの忘れてた……

 まあ、いいか


 「あちゃ~おじさんやられちゃったか……」

キャットウォークはやれやれと、壁の端で気絶している言動をみてため息をついた。

「どうする? 降伏する?」

「まさか! あのおっさんは能力を得たばかりでね。しかもいい能力なんすよ……、だからちゃんと連れて帰らないと俺が怒られるんよ。だからここは痛み分けといきませんか? お姉さん?」

「そうだねって言うと思ったかバーカ」

ハイノメとキャットウォークはマーベル映画並みに能力バトルしている。この隙に僕はツルギちゃんを救出した。彼女は疲れ切っているからか、僕が抱きかかえても何も反応がなかった。


「う、背中が痒くなってきた……アンタはどうなの? 疲れてきたんじゃない? てか、ネズミちゃん達少なくなってきてない?」

「まさか、減ったら増やすまで! 天ペスト《テンペスト》」

キャットウォークはもう一度魔法陣を出し、大量にネズミたちを召喚し始めた。

「うそでしょ!」

「ははは、さあ! 数か質量か!? どっちが強いでしょうね!?」

そう強気な言葉を放ってはいるが、明らかに魔法陣展開した後、疲れているのが分かる。つまり、ぼくが早く加勢すればこの勝負必ず勝てる!

だがその必要は無かった……なぜなら


 ドゴンッ


ネズミの山から一人の女性が現れた。

呑気に背伸びをしている。


「ちょっと遅いわよ! ミナ!」

「すみません、寝落ちしてました……」


「おいおいまじか……ピンピンしてんじゃん」

これにはキャットウォークも驚いたようだ。

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