表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
76/145

第76話 成長

 僕達四人は、変身したミナさんを先頭に、女将さん親子二人の元へ向かっている。

廊下を走っていると、何かがゴンっとぶつかった音が、奥の方の部屋から波の様に伝わってきた。


「あそこのね。で、どうするの?」

ミナさんはその部屋から十歩程離れた場所で立ち止まった。

「人質を取られているかもしれません。ここは慎重に……」

カンダさんは冷静に判断している。


「ミナさん、ここから臭いとか音で、何とか中の状況とか分かったり出来ますか?」

「む、無茶言わないで……」

珍しくこの状態のミナさんが困っている。

「まあ、時間を頂けるのであれば♡ ある程度は分かるかも?♡」

「どの位かかりますか?」

カンダさんがもう一度ミナさんに問いかける。

「うーん、3,4分程かな?」

「待ってられんわ!」

僕はツッコみながら目の前の扉をぶち破った……



 現場は悲惨だった。顔中血だらけで倒れている女将さんと、涙で顔がぐしゃぐしゃにした少女、そして横に犯人であろうDV男が立っていた。

事情を知らない人が見たら気まずくて逃げ出してしまいそうだ。


「すみません、家族会議中に……やっぱり一発殴らせてもらえませんか?」

昔の僕だったらこんなセリフ言わなかっただろう。

「アハハ! ショウ君の男らしいところも好き♡」

ミナさんはなんか興奮していた。すごくボディタッチしてくる……

「ショウ、アンタって意外とワイルドなのね。ドアが……」

ハイノメも普段の僕らしからぬ行動に驚いている様だ。

「ごめん、勢いに任せたら壊しちゃった……」


今更になって、感情的になっているとわかった。

カンダさんの言う通り、もし人質とか取られていたらどうするつもりだったんだ。


「まあ、結果オーライです」

ちょっと不満そうだがカンダさんからOKを貰った。

「な、なんだお前ら……お前はあの時の……」

男は動揺していた。

そりゃそうだ、ドアを盛大に壊して入ってくる奴らが来たのだから!

「ねえ、カンダさん……あのオヤジ敵よね♡」

不気味な笑みを浮かべて、ミナさんはカンダさんに聞いている。

「前みたいにやり過ぎたらダメですよ! もし何かあったら全力で死んでも私が止めます」

「あはは、それでこそ親友よ~」

ミナさんがガシッとカンダさんに抱き着いた。

「いだだだだ、痛いです! あと、今の状態のミナさんとは友達じゃないです」

「ガーン」

ガーンって自分から言う人初めて見た。


「ねえ、ショウ……アンタその腕!」

ハイノメが驚いた顔をして僕の腕の方を見ている。

そういえば、彼女にはまだ見せていなかった。

「ああ、これか! 僕もハイノメ達がいないところで強くなっているんだ。最近キラさんと何度か仕事している時、発見? 覚醒? まあどっちでもいいや。ゼノを食べたりしてたら、こんなことができるようになったんだ」

僕は自慢げにその腕をブンブン振り回した。まるでオークの様に大きな腕、そして禍々しい見た目をしたその腕は、見掛け倒しではなく、このようにドアをも簡単に吹き飛ばすことができる。

「よーするに化け物って事なんだよ」

「アハハ! いいね! 今度私達2人で、嫌な目で見てくるヤツにちょっかい出しに行く?」

「……イジメは良くないぞ」


「おい! 何ごちゃごちゃ話してんだ! おまえら何が目的なんだよ! こっちは真剣に家族会議やってんだよ」

しびれを切らした男は僕たちに怒鳴り散らしてきた。

「うっさいわね、短気は嫌われるわよ おじさん♡」

そう言い放った後、ミナさんは男へ距離を詰めた。短距離選手顔負けの走り出しを見せた彼女は、一瞬の内に男の懐まで詰めていた。

「はや!」



決着はすぐにつくと思っていた。

しかし、何故か彼女は勢いを無理やり殺した後、僕たちの方へ後退した。

「ど、どうしたのミナ?」

「いえ、なんかおっさんの服の中からネズミが出てきたから……」


気付くべきだった。

ここに入ってきたときに男は僕たちの姿を見て、

ほとんど動揺していないことに……


「能力者ってことね……」

「そういう事ですよ先輩! ああ、興奮してきた♡」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ