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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
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第67話 つづき

 時が止まった。 僕の頭の中は真っ白になっていた。 彼女の言葉の意味をすぐに理解できなかったからだ。 少し時が進み、彼女の気持ちを理解することができた。


 よっしゃぁぁぁぁ!!!


僕の心の中はお祭り騒ぎだ! とうとうこの日が来てしまったんだと! 


僕は出来の悪い頭脳をフル回転させ、この後のセリフ、シチュエーションを考えていた。ゴキブリは命の危険を感じたとき、IQ が200ぐらいに跳ね上がると聞いたことがあるが、今まさに僕の頭はアインシュタイン並みに凄いことになっているはずだ。


「ゴキブリって死ぬ間際、頭良くなるんだよ」

「???」



 終わったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


ゴキブリのこと考えてたら、ついうっかり訳の分からないことを口走ってしまった。なにがアインシュタイン並みだ。あの世でアインシュタインも、舌出して大笑いしているだろう。


 女性経験のなさがここで出てしまうとは……

 いや、だとしてもこれはないな……

 この雰囲気で虫の話題出す奴がいるか!


「ふふふ、ショウ君 慌ててますね!」


彼女は笑ってくれているが、僕の顔は生気を失っていると思う。せっかくの大チャンスを逃したんだから…… 


 さよなら、大人の階段……


僕は心の中でそう呟き、徐々に来る恥ずかしさと不甲斐なさに襲われ、目をつむりだした。


 もう、このまま身体が硬くなって動かなくなって死にたい……



 赤い果実のような柔らかいものが僕の口に優しく接触した。僕はこれを知っている。久しぶりだけどしっかりと覚えている。今までの人生で一度しか味わったことがない、でもその時の体験は忘れることは無い。


「私、ショウ君以外の人とその……経験がないんです。なのでどうすればいいのかよくわからないけど。せ、精一杯頑張ります!」

「み、ミナさん……」

「ご、ごめんなさい! やっぱりお酒はいると、ちょっとその……変な気分になっちゃうんです。 あ、ビッチとかじゃないですよ! こんなことしたのショウ君が初めてなんですから」



 いける


 いけるぞ


 お土産屋のおばちゃんありがとう……


 本当に 本当に それしか言葉が見つからない



僕はそのまま目の前の女性の身体を優しく包むように、手を彼女の顔の近くまで伸ばした。



 コンコンコン  


 誰かがドアをノックしてきやがった。最悪だ……


せっかくのチャンスを! 人生の特大イベントを!

邪魔された…… 


僕は手を止め、すごく冷静にドアの前まで向かっていった。他人からはそう見えると思う。だが内心は怒りで今にも爆発しそうだった。


 



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