表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
66/145

第66話 キスの続き

 トボトボと男一人廊下を歩いている。大きな風呂にゆっくりと浸かるはずが、まさか、隣の女子浴場を見たいがために、必死で穴が開いていないか探してしまった……。漫画やアニメでよくある方法の一つ、壁をよじ登ってまで覗く度胸は僕にはなかった。勿論そんなことしたら、今後の僕の人生は最悪になってしまう。


 もしかしたら首になるかもしれないしな……


「あー僕のバカ! もったいないことしやがって!」

「? どうしたのショウ君?」

「うおっ! びっくりした。 ミナさんか」


くだらない後悔で悩まされ過ぎて、近くにミナさんが来ていたことに気付かなかった。男の欲がこんなにも狂わせることに僕は今一度思い知った。


「い、いや~ こ、コーヒー牛乳飲みたいな~なんて」

僕はその場で苦しまぎれの言い訳をついた。

「あー確かに、自販機置いてはありましたけど、全部売り切れになってましたね。というか、そもそも電源が入ってませんでしたし、やっぱり災害が影響しているのでしょうか。早く元の生活に戻ればいいですね!」

「う、うん」


 ごめんミナさん! 嘘なんです! 


コーヒー牛乳じゃなくて、女性たちの裸のこと考えていました。なんて口が裂けても言えやしない。


「ちょっと、ショウ君の部屋見に行ってもいいですか?」

「え、いいですけど…… あ! まーた酒持ってる」

「えへへ、牛乳とかはないですけど。お酒なら持参してきましたので」

「飲んベーだ」

「えへへ、今日はお休み気分ということで! 飲みましょう!」

「まったく、ハイノメ達と飲まなくていいの?」

「あの二人はオセロに夢中です」

「……気を使わなくていいんだよ?」

「オセロの横でお酒飲めなかったので……、それほどあの二人バチバチでした」

「アハハ、何となく想像できる!」

「たぶん想像しているよりもすごいですよ!」


僕たちはたわいない会話で盛り上がっていた。夜の雰囲気と相まって一層、心が落ち着く。彼女と話しているととても穏やかになるから


「それに、お酒は一人で飲んでもおいしくないので……、楽しくもないので」

ミナさんはもじもじし始めた。なにか言いずらいのだろうか?

「それに、気を使うとかそんなんじゃなくて、その……私自身がショウ君に会いたかったんです」

「ええ!」

僕は顔が真っ赤になってしまった。


 これが告白ってやつか!


「ちょ! は、恥ずかしいので! 取りあえず、部屋に行きましょう」

そう言ってミナさんは、強引に僕を部屋に押し込んだ。


 行きましょうって、ぼくの借りてる部屋なんだけど




 広縁の狭い空間で夜空を背に、浴衣姿の男女が二人

ロックグラスをカラカラと鳴らしながら、いい雰囲気を出そうと必死な男。

先程からもじもじしながらこちらを見つめてくる女。


「いい、よぞらだね……」

「う、うん」

「……」


 あああああ、何言ってんの? 僕は! 

 カラカラ長いこと鳴らして出たのがこれ?

 酷すぎる……


「と、とりあえず飲みましょう! 夜空を眺めながら飲むお酒は格別です」

「う、うん」

ミナさんになんか情けない姿を晒してしまったか、不安で不安で酒を飲んでないのに吐き出しそうだった。とても飲む気にならなかった。

「変にカッコつけなくてもいいですよ」


 言われてしまった。 おそらく顔に出ているんだろうな……


「私が好きなのは素のショウ君なんですから!」

「え?」

「覚えてますか、初めて会った時のこと…… 私が瓦礫の下敷きになっていたところを助けてくれたこと。」


ミナさんは初めて僕たちがあった時のことを話し始めた。勿論覚えて……いや、あの時は大変で、それどころじゃなかったからその部分はしらなかった。ぼくがミナさんを知ったのは


「その後、泣いて塞ぎ込んでいたいた私に優しく声をかけたくれたこと」


 ごめんなさい! そこも覚えてない! いろんな人に声かけてたから……


「ちょっと コミュ障気味でしたけど!」

「仕方ないじゃん どう声を掛けたらいいかわかんなかったんだから」

「その後も、あなたは皆の為に不器用ながらも頑張ってましたね」

「ま、まあ…… あの時は皆で協力しないといけなかったし……」

「そんなあなたを後ろから見ていました。いつか私もあなたの様になりたくて……、私もボランティアに参加し始めて……」


そうこの時だ。ぼくがミナさんを知ったのは。 初めて会った時はそんな理由聞いてなかった。 僕なんかにあこがれたなんて。


「いつのまにか なりたいじゃなくて 傍に居たい……になってましたけど」


「ショウ君……」

「は、はい!」

僕はミナさんの告白にただ茫然としてしまった。そんな状態でいきなりの呼びかけに対して、つい驚いてしまった。


「キスの続きしませんか?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ