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世界の意思にさようなら  作者: ラゲク
第七章 開拓地の狂犬
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第64話 母親の資格

 「ツルギ……入ってもいい?」

世界樹対策課御一行様のお食事を運び終わった後、私は娘と話し合うため従業員スペースに来た。ドアには鍵が掛かっていた。


 母親ならこの時どうすれば良いのかわからない……

 今回の件、私にも責任はある


「ねぇ ツルギ もしかして、私のためにやってくれたの?」

「……」

返事は無かった。私は続けて話し続けた。

「もし、お母さんのためにしてくれたのなら有難うね。でも、それとこれとは別なの。世の中の男性、みんなお父さんみたいな人ばかりじゃないから……」

「……」


娘の前で父親の話はダメだったか、ついうっかり禁句のワードを出してしまった。まだ傷が癒えてないかもしれないのに……


「……そ、それに今回のお客様は大丈夫よ! 仕事で来られた方達だし、それに私なんかより、私なんかより若くて美人な女性の方に囲まれているのだから」

「約束してくれる?」

娘が扉の奥から小さくボソッと小声で返事をしてくれた。

「……なに?」

「絶対にもうあんなことしないって」

「わかったわ」

この約束は何回もした。それだけこの子にとって辛いことなのだ。

「あと、お父さんのこともう大丈夫だから」


旦那が狂気に走ってしまった原因は私の責任だ。

私があんなことをしていたのに、この子は私についてきてくれた。

当たり前よ、祖父母も旅館の手伝いをしているのだから選択できる場所は私の所しかないのよ。


「あ、あとね お客様があなたと話がしたいって」

「え?! 私と?」

娘は驚いたあまり、鍵を開けドアを少し開けて私の顔を見た。

「ええ、あなたと仲直りしたいって」

「わかった」

「ええ!」


私はつい驚いた声が漏れてしまった。てっきり嫌だと思っていたから


「私が悪かったんだし、当然よ」

「そ、そう」


ホッとはしなかった。むしろ断ってほしかった。 

またお客様に失礼なことする可能性もそうだが、この子自身が心配だから。

まだ、男性に対して嫌悪感を抱いていたのだから。


 そもそも私が太客に身体を売っていたことが原因じゃない。

 旦那がツルギに手を出したのも、私が原因……

 

私にこの子を悪く言う資格なんてない。理由がこの旅館とあなたの為だから。なんてきれいな言葉で言い訳なんて出来ない。


 ただ、この子には同じ道を歩んでほしくない……

 この子自身、頑張ってくれているのは分かるけど……


もう、この旅館も限界だ。

無理をしてまでやる必要もない


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