第62話 相棒への告白
ショウを部屋の前から連れ出し、人気のない場所まで連れていく。とは言っても、私たち以外に宿泊客はいないようだ。ちょっと失礼だけど、今は人がいなくてラッキーだ。これなら他人を気にせずに話し合うことができる。
私は彼を廊下の端の隅っこまで連れ出した。
「で、どうしてあんなこと言ったの?」
「なんだよ、聞いていたのか」
「最後らへんだけ、最初からは聞いていないわ。ショウが切れだした所ぐらいからかな?」
「はぁ~、しゃあない説明するよ……」
ショウは嫌々ながら私に事の経緯を話してくれた。
「なるほどねーで、怒っちゃったわけだ」
「まあな、ぼくも悪かったと思うよ……」
私に愚痴を吐いたからかショウは素直になってきた。コイツはこんなことで怒ったり、イライラしたりするのは似合わない。
ショウは優しいから ツルギちゃんにも知ってほしい
「ショウ、最近さ……私ピリピリしていたじゃん」
「ん? ああ、そうだな。キラさんが生理じゃないかって」
「ОK! それこそ帰ったらセクハラとして訴えておくわ」
私はショウに告白した。
「最近、世間にも私たち世界樹対策課のことが知れ渡ってきたじゃない。そんな中、仕事中にこう言われるのよ。税金泥棒だの、無能だの……。化け物とまで言われたわ」
「え!? そんなこと言われてたのか!」
ショウは驚いた顔をした。
「ええそうよ、まあ私のこのマスクを見たらね……。悪目立ちするから」
「別の物に変えたら?」
「それは出来ないの!」
「まあ、それよりも問題なのが私の能力のせいなんだよね」
「能力のせい?」
「ええ、ほら! 世界樹を燃やしたりするときに煙の能力を使うじゃない。基本的に一般人にはあまり見せないようにしているんだけど……。
どうしても見られちゃったり、自衛隊の人たちや警察の人、その避難区画の区画長に説明する時にね。そしたら、みんなして人を見る目をしていないの。
まるで異形のモノでも見ているような……。
気味の悪い目つき、思い出したら鳥肌が立ってきた!」
私は自分で言っておきながら鳥肌が立ってしまった。
「好きでこの能力得たわけじゃないのにね」
「ハイノメ……」
「ちなみにショウは比較的まともの部類よ。私のこの能力みても化け物みたいに見なかったもの」
「そりゃそうだ。その時すでに僕も化け物になってたんだから」
「あれ? そうだったんだっけ?」
「なんなら、ハイノメより化け物みたいな身体になってるからね」
「アハハ! 確かに! まあ、ストレスってわけよ! だからさ! せっかくの機会なんだから思いっきり羽を伸ばしましょうよ!」
「だな!」
ショウの顔は喧嘩する前に戻ってきている。
いつものショウの顔に……
あの時は有難うね、あなたとミナのおかげで今の私がいる。
「ねぇ、あの子の所に戻って仲直りしに行きましょう」
私は思い切ってショウに提案した。
「ええ~」
すっごく嫌な顔している!
でも、このままお互い嫌な気分で過ごす訳にもいかない。いつまでここにいるのかわからないわけだし。
「まあ、直ぐに仲直りしなさいとは言わない。元はあっちが悪いわけだし! でもあんたの方が年上なわけだし」
「でも、ぼくら客じゃん」
「も~ウジウジしない! ハイノメお姉さんが一緒について行ってあげようか?」
「い、いいよ。自分で行くわ!」
「よし、それでこそ男よ」




